国宝の銅造仏頭80年ぶり里帰り 奈良・興福寺

国宝の銅造仏頭80年ぶり里帰り 奈良・興福寺

奈良市の興福寺で1月7日、国宝「銅造仏頭(どうぞうぶっとう)」が80年ぶりに同寺東金堂(とうこんどう)に戻され、還座開眼法要が営まれた。収蔵・展示していた国宝館が今月から耐震改修工事で1年間休館するためで、12月まで東金堂で拝観できる。
興福寺によると、仏頭は高さ98.3㌢の銅製で、685年の造立。白鳳仏の代表作とされる。元は山田寺(奈良県桜井市)の本尊像で、鎌倉時代初期の1187年に東金堂本尊として移されたが、室町時代の火災で焼失、頭部だけが残った。その後再建された東金堂の新しい本尊台座に納められ、約500年後の1937年に発見された。

ネアンデルタール人が食人 ベルギーの洞窟で証拠発見

ネアンデルタール人が食人 ベルギーの洞窟で証拠発見

AFP時事によると、ネアンデルタール人が馬やトナカイを食べるだけでなく、共食いもしていたことを示す証拠が、ベルギーのゴイエ洞窟群で発見された。
発見した研究チームによると、約4万年前に生きていた成人または若者4人と子供1人、新生児1人の人骨には内部の骨髄を取り出すために切断、粉砕された明確な痕跡があるという。ベルギー人考古学者のクリスティアン・カセイヤス氏は、ここで食人が行われていたことは、反論の余地がない-としている。
ゴイエ洞窟の人骨は、ネアンデルタール人が現生人類ホモ・サピエンスに取って代わられ、地球上で絶滅を迎えつつあったころの年代を示している。また、ネアンデルタールはホモ・サピエンスとも交配していた。
ネアンデルタール人による食人の事例はこれまで、スペインとフランスに存在した南欧のネアンデルタール人個体群でしか見つかっていなかった。

大型恐竜は卵のふ化に半年 遅いのが絶滅の一因か

大型恐竜は卵のふ化に半年 遅いのが絶滅の一因か

米国フロリダ州立大など研究チームの化石の詳細調査によると、恐竜の卵はふ化するまでに、大型種で半年、小型種でも3カ月はかかったとみられることが分かった。このふ化の期間の長さが、恐竜絶滅の一因になった可能性があるという。米科学アカデミー紀要電子版に発表された。
恐竜は爬虫類の仲間だが、小型恐竜から進化した鳥類の卵のふ化まで11~85日程度と早いため、これまで恐竜も早いとの見方があった。卵のふ化に時間がかかると、肉食獣に食べられたり、洪水や嵐に遭ったりする危険性が高まる。恐竜が約6500万年前の白亜紀末に絶滅したのは、ふ化が遅く、巨大隕石の衝突などで環境が急変する中、激しい生存競争に負けたことが理由の一つかも知れないという。
調査対象はカナダで見つかった大型草食恐竜パクロサウルスと、モンゴルで発見された小型草食恐竜プロトケラトプスの、卵からかえる直前の子の化石。卵の重さはそれぞれ約4㌔、194㌘だったとみられる。
研究チームは歯の成長に伴って残る年輪のような細かい線をX線コンピューター断層撮影(CT)などで分析し、ふ化までの期間を推定した。

世界遺産・下鴨神社で新春恒例の「蹴鞠初め」

世界遺産・下鴨神社で新春恒例「蹴鞠初め」

世界遺産に登録されている京都市の下鴨神社(左京区)の境内で1月4日、新春恒例の「蹴鞠初(けまりはじ)め」が行われた。
烏帽子(えぼし)、袴(はかま)を身に着けた「蹴鞠(しゅうきく)保存会」の会員が、鹿の革でつくった直径約20㌢、重さ約150㌘の白い鞠を、地面につかないように、さながらサッカーのリフティングのように蹴り合う。
勝敗はなく、キックの精度を競い合う。相手が受けやすいように蹴るのが上手とされる。参加メンバーらは「ヤア」「オウ」などと声を掛け合いながら、妙技を披露していた。

敗戦後初の帝国議会の天皇勅語の起草過程明らかに

敗戦後初の帝国議会の天皇勅語の起草過程明らかに

国立公文書館に保存されている資料から、1945年9月4日、戦後初の帝国議会開院式で昭和天皇が述べた勅語の起草過程が明らかになった。この資料は「第八十八回帝国議会開院式勅語案」で、第1案から第4案まである。
当時の東久邇宮稔彦(ひがしくにのみやなるひこ)首相らが検討を重ねた結果、第4案に初めて「平和国家ヲ確立」という表現が盛り込まれ、新たな国づくりの目標が掲げられることになった。これは、1945年8月15日の「終戦詔書」(玉音放送)に続く天皇による直接のメッセージで、「平和国家」という言葉はその後、日本社会に広く浸透していった。

タイタニック号沈没に新説 原因は出航前火災の補修不備

タイタニック号沈没に新説 原因は出航前火災の補修不備

英紙インディペンデント(電子版)によると、1912年に大西洋で1500人が死亡した豪華客船タイタニック号の沈没事故の原因について、英国の研究者が本来の原因は氷山衝突ではなく、火災だった-との新説を唱え、話題になっている。
この説を主張しているのは、30年以上にわたり沈没の謎を追ってきたセナン・モロニー氏。タイタニック号が4月の出航前、ボイラー室で火災事故を起こした。このことは指摘されていたが、新たな資料から右舷が約9㍍以上にわたって黒く焦げていた点を突き止めた。もろくなった損傷部分に、氷山との衝突で穴が開き、大惨事につながった-と説明している。
すなわち火災事故後、火災の影響を軽視し、(万全の修理が行われないまま)出航させた過失が重なったことが、沈没を引き起こしたと結論付けている。