鳥取の遺跡の人骨 弥生時代に渡来か DNAで判明
国立科学博物館や山梨大学などの研究グループのDNA分析の結果、2000年に鳥取市の青谷上寺地遺跡で出土した大量の人骨は1世紀から2世紀の弥生時代後期に新たに大陸から渡来した人々だったことが分かった。
ほとんどの人骨のDNAの特徴が、中国や朝鮮半島の人のものと共通していることが分かったという。今回のようにまとまった数の弥生人のDNA分析から渡来人の集団の実態に迫る研究は初めて。
豊臣期の大量の金箔瓦 静岡・駿府城公園で発見
静岡県は10月16日、同市葵区の駿府城公園内の駿府城天守台跡から、豊臣期につくられたとみられる大量の金箔瓦と、徳川家康が築城した駿府城とは異なる形状の石垣が見つかったと発表した。
今回、「秀吉の城」に使われていたとされる金箔が施された瓦約330点と南北約37㍍、東西約33㍍の天守台が見つかった。天守台の石垣は徳川家康が建てた駿府城とか異なる形状で、自然石を積む野面積みだった。
今回の調査で家康による1585~1588(天正13~16)年の駿府城築城と、1607~1610(慶長12~15)年の駿府城大改修の間、駿府城の地に豊臣秀吉が家臣・中村一氏に1590~1601(天正18~慶長6)年の間に、城を建てさせていたことが裏付けられたとしている。
京都・仁和寺の明王壁画初公開 大迫力の5体
京都の世界遺産、仁和寺(京都市右京区)で、本尊の奥にある5体の色鮮やかな明王の壁画が、10月13日から初めて一般公開されている。12月16日まで。
高さおよそ2㍍、幅およそ15㍍の木製の壁に、江戸時代初期、370年余り前に描かれてから1度も修繕されていないという5体の明王が、天井のライトで照らし出されている。中央の「不動明王」は剣を握り、正面をにらみ付けて堂々と座る姿が描かれ、金色の装具、真っ赤に燃え盛る背後の炎などが色鮮やかに表現され、迫ってくる。このほか、3つの顔と6本の手を持つ明王、手足に巻き付けた明王もあり、その迫力には目を見張るものがある。
これらは普段は一般に人が入れない「裏堂」の壁画、邪悪な者が入ってこないように描かれたという。
平城宮跡で出土の荷札の木簡80点を展示 国宝26点も
奈良文化財研究所は10月13日から、平城宮跡から出土した国宝の荷札など木簡だけを集めた展示会を、平城宮跡資料館で開く。11月25日まで。
今回は奈良時代、全国から税として都に納められていた荷札の木簡およそ80点が3回に分けて展示される。この中には国宝26点が含まれている。平城宮跡からこれまでに、当時は全国の地方それぞれの特産物が税として納められたことをうかがわせる木簡が出土している。下総国海上郡、今の千葉県銚子市などからワカメ、今の山口県周防大島町から塩など、様々な特産物が都に送られたことが分かる荷札が見つかっている。
また、奈良時代の実力者で、絶大な権勢を誇った藤原氏と対立し、非業の最期を遂げた長屋王の邸宅跡からもこの種の木簡が見つかっており、中央の権力者と地方の関わりを示すものだ。