土佐藩主・山内容堂所有の能面 大英博物館などで見つかる

土佐藩主・山内容堂所有の能面 大英博物館などで見つかる

英国の2つの博物館所蔵の江戸時代の能面を、法政大学能楽研究所の宮本圭造教授が調べたところ、5点が幕末の大政奉還に深く関与したとされる土佐藩主、山内容堂が所有していたものと分かった。海外にある能面の元の持ち主が分かることは極めて珍しく、明治維新後、日本美術ブームの中で外国人が買い求め、海外に流出したと考えられるという。
山内容堂が元の持ち主ちと判明した能面は、英国のロンドンの大英博物館所蔵の3点と、ビクトリア・アンド・アルバート博物館所蔵の2点の合わせて5点。能面の裏に「容堂居士」などの署名があり、いずれも容堂の直筆と考えられるという。容堂は能の愛好家で、50点以上の能面を所有していた。

大阪天満宮で裁縫技術の上達祈り「針供養」

大阪天満宮で裁縫技術の上達祈り「針供養」

大阪市北区の大阪天満宮で2月8日、裁縫で使い古した針を特大のこんにゃくに刺すことで感謝の気持ちを表すとともに、裁縫技術の上達を祈る伝統行事「針供養」が行われた。
和服を仕立てる和裁士や服飾学校に通う生徒らおよそ1,000人が参加し、幅50cm、高さ10cmほどの特大こんにゃくに縫い針やまち針を次々と刺して供養する姿がみられた。大阪府内はもちろん、兵庫県西宮市からの女性も来ていた。
大阪天満宮では、奈良時代に刺繍や裁縫の技術を日本に伝えたとされる遣唐使の吉備真備が祀られていることから、およそ90年前から毎年行われている。吉備真備は遣唐使船の”遭難”の大きなリスクがあった時代に、2回も遣唐使として中国・唐にわたり帰国後、大和朝廷の中枢で活躍した人物。

太平洋戦争中に沈没の戦艦「比叡」の切断船体見つかる

太平洋戦争中に沈没の戦艦「比叡」の切断船体見つかる

米国の調査チームはこのほど、太平洋戦争中の1942年、南太平洋のソロモン諸島沖、サボ島の北西の深さ985mの海底で、旧日本海軍の戦艦「比叡」を発見した。
激しい攻防戦の中で沈没したものとみられ、船体が切断された状態になっていて、専門家の見立てでは大きな爆発によって沈没した可能性が高いことが、今回初めて分かった。
比叡は、太平洋戦争の緒戦で1941年、ハワイ真珠湾攻撃にも参加。主要な戦いに投入され、第三次ソロモン海戦で連合国の艦隊の攻撃を受けて航行不能となり、最期は自ら船内に水を入れて沈んだとされていた。しかし、今回発見された残骸から判断する限り、尋常な最期ではなかったことが明らかになった。
潜水艇から撮影された映像には巨大なスクリュープロペラや舵(かじ)、高角砲の砲身などのパーツが映っているが、船腹を上にした状態で沈んでおり、大きな爆発で船体がいくつかに砕け散った惨状が想起される。

明日香村「小山田古墳」は飛鳥時代最大の「方墳」

明日香村「小山田古墳」は飛鳥時代最大の「方墳

奈良県立橿原考古学研究所の発掘調査によると、奈良県明日香村の「小山田古墳」が飛鳥時代の「方墳」としては国内最大規模とみられることが分かった。
今回の調査で一辺の長さが大きいところでは幅が80㍍以上あることが確認された。これまで飛鳥時代の方墳では千葉県の「龍角寺岩屋古墳」が、幅およそ78㍍で国内最大規模とされていた。小山田古墳が上回る規模と分かったもの。
そこで、注目されるのがこの古墳の被葬者だ。古墳の規模からみて、当時の最高権力者や権勢を誇った人物として天智天皇や天武天皇の父親、舒明天皇、蘇我蝦夷などの名前が挙げられている。今後の研究が待たれる。

江戸時代の譲位と即位の屏風絵 京都で初公開

江戸時代の譲位と即位の屏風絵 京都で初公開

4月の天皇陛下の退位と5月の皇太子さまの即位を控え、356年前の江戸時代に行われた天皇の譲位と即位の儀式を描いた屏風絵が1月30日から初めて、京都市東山区の京都国立博物館で公開されている。
この屏風絵は、江戸時代の1663年に行われた後西天皇の譲位と霊元天皇の即位に伴う一連の儀式を描いたもの。屏風は2点で一組となっていて、いずれも高さおよそ1㍍、横およそ3㍍。一つは京都御所の紫宸殿で行われた即位式の様子が描かれている。数えで10歳の霊元天皇が高御座(たかみくら)に座る姿や、一般の人たちが見物する様子が描かれている。いま一つは後西天皇の譲位の儀式で、三種の神器のうち剣と勾玉の継承などが描かれている。同博物館の平成知新館で3月10日まで公開されている。

低予算で太陽系の小天体の観測に成功 世界初

低予算で太陽系の小天体の観測に成功 世界初

国立天文台、京都大学などのグループはこのほど、太陽系の最も外を回る惑星、海王星のさらに外側に存在すると考えられている、直径が20kmより小さい無数の小天体の一つを観測することに成功したと発表した。
同グループは今回、観測装置の開発費がおよそ350万円という低予算で、独自に改良した小型の望遠鏡を使って直径2.6kmの小天体一つを見つけることに成功した。およそ2,000の恒星を60時間かけて動画で撮影し、遠くにある光を放つ恒星の前を小天体が横切る際の光の強弱を捉えることで観測したもの。通常、直径が20kmを下回る天体は小さくて暗いため、観測が難しく実態がよく分かっていない。
小天体は惑星がつくられる材料と考えられ、これらが衝突と合体を繰り返して地球などの惑星ができ、太陽系を形づくった。このため今回の快挙は、その成り立ちの解明につながる成果として注目されている。
国立天文台によると、海王星より外側にあるこの大きさの小天体を実際に確認したのは世界で初めてという。