「先住民族」と明記のアイヌ新法成立

「先住民族」と明記のアイヌ新法成立

法律上、初めてアイヌを「先住民族」と明記し、必要な支援策を盛り込んだアイヌ新法が4月19日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。
アイヌ民族の誇りを尊重し、産業・観光振興などに使える交付金を創設すると定めた。アイヌと地域住民の交流の場の整備やアイヌ文化に焦点を当てた観光プロモーションなども想定される。このほか、市町村計画に応じ、祭具づくりのため国有林の樹木採も特定で認めるとしている。公布後1カ月以内に施行される。

法隆寺の国宝・救世観音像 春の特別公開

法隆寺の国宝・救世観音像 春の特別公開

奈良県斑鳩町の法隆寺・夢殿に安置されている国宝・救世観音像(くせかんのんぞう)が4月11日から特別公開されている。
救世観音像は高さおよそ1.8mの飛鳥時代の木造の仏像で、聖徳太子を模して造られたとされ、神秘的な微笑みをたたえた細身の姿が特徴。毎年春と秋に特別に公開されている。今回は5月18日まで。
公開に先立って法要が営まれた。読経があげられる中、厨子(ずし)の扉が開けられると、訪れた人たちは像に見入り、静かに手を合わせていた。近在からはもとより、東京をはじめ遠方から訪れた人もみられた。

新種の人類か フィリピン・ルソン島の洞窟で化石見つかる

新種の人類か フィリピン・ルソン島の洞窟で化石見つかる

フランスの国立自然史博物館やフィリピン大学などの研究グループは、フィリピンルソン島のカラオ洞窟で小型の人類の化石が見つかり、調査・分析した結果、およそ5万年前に姿を消した新種の人類だとする内容の論文を4月10日、英国の科学雑誌「ネイチャー」に発表した。
同洞窟の石灰岩の地層から2007年以降、人類のものとみられる歯や足の指の骨、そして太ももの部分とみられる骨の化石が見つかっており、分析の結果、身長1mほどの人類のものであることが分かった。
足の指の骨は300万年ほど前にアフリカに生息していた初期の人類「アウストラロピテクス」と同じように曲がり、木登りしやすいようになっている一方で、歯の根の部分の形が現在の人類「ホモ・サピエンス」を含めた、これまでに知られているすべての人類と異なっているという。このため、同研究グループは「ホモ・ルゾネシス」(=ルソン島の人)と名付けた。

世界初 ブラックホールの輪郭撮影に成功

世界初 ブラックホールの輪郭撮影に成功

日本などの国際研究グループは4月10日、極めて強い重力で光も吸い込む天体、ブラックホールの輪郭を撮影することに世界で初めて成功したと発表、画像を公開した。撮影したのは、地球から5500万光年離れたおとめ座の「M87」と呼ばれる銀河の中心にあるブラックホール。
世界各地の電波望遠鏡をつないで、口径がおよそ1万kmという地球サイズの巨大な望遠鏡を構築したことによる成果で、ブラックホールの存在を直接示すものとして世界的に注目されている。日米欧などでつくる研究グループが世界6カ所で同時に会見し明らかにした。

新一万円札「渋沢栄一」など3紙幣デザイン一新へ

新一万円札「渋沢栄一」など3紙幣デザイン一新へ

日本政府は偽造防止などを目的に、一万円札、五千円札、千円札の3種類の紙幣のデザインを一新すると発表した。新たな肖像画には、一万円札に「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢栄一、五千円札に日本で最初の女子留学生として米国で学び、津田塾大学を創立した津田梅子、千円札に破傷風の治療法を開発した細菌学者の北里柴三郎を使用し、5年後をめどに発行する方針。
紙幣の裏面には、一万円札は東京駅の駅舎、五千円札は藤の花、千円札は葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」がそれぞれ描かれる。
偽造防止のため最先端の技術を用いたホログラムなども導入される予定。紙幣のデザインが一新されるのは平成16年以来となる。5年後の2024年度上半期をめどに発行する。また、五百円硬貨についても偽造防止を目的に、素材を変更するなどした新たなものを2年後の2021年度の上半期をめどに発行する。
なお、二千円札については、現在のデザインが維持される。

新元号 候補5原案は「英弘」「久化」「広至」「万和」「万保」

新元号 候補5原案は「英弘」「久化」「広至」「万和」「万保」

「令和(れいわ)」に決まった新元号の選定作業で、政府が示した6つのうち5案が明らかになった。「英弘(えいこう)」、「広至(こうし)」、「久化(きゅうか)」、「万和(ばんな)」、「万保(ばんぽう)」の5つだ。令和の考案者は中西進・国際日本文化研究センター名誉教授が有力視されている。