日産自動車(本社:横浜市西区)と早稲田大学(本部所在地:東京都新宿区)は9月3日、電動車用のモーター磁石からレアアース化合物を高純度で効率よく回収するリサイクル技術を共同開発し、2020年代中ごろの実用化を目指した実証実験を開始したと発表した。
日産は2017年より非鉄金属のリサイクルと製錬に関する研究で高い実績のある早稲田大学創造理工学部の山口勉功研究室と共同で、同校の大型炉設備を使用し、電動車用のモーター磁石からレアアース化合物を回収する研究を開始。2019年度に、高温で融体を取り扱う「乾式製錬法」により、モーターを解体することなく、高純度なレアアース化合物を効率よく回収する技術を確立した。
古河電工 カンボジアで超高圧地中送電ケーブル受注
古河電気工業(本社:東京都千代田区)は9月3日、カンボジアでカンボジア電力公社(EDC)により実施される「プノンペン首都圏送配電網拡張整備事業(フェーズ2)(第二期」の送電網構築事業を、電力プラントのEPC事業を営むマレーシアのペステック社と協働で受注したと発表した。受注金額は約40億円。
同事業は国際協力機構(JICA)による円借款事業(ODA)として実施される。これにより、同国の国内電力需要の約7割を占める首都プノンペンの電力の安定供給と経済発展に寄与する。
ヤマハ発動機 小型自動EVで22年7月から搬送サービス
ヤマハ発動機(本社:静岡県磐田市)は9月1日、ベンチャー企業、ティアフォー(所在地:名古屋市)との共同出資会社「eve autonomy(イヴオートノミー)」(本社:静岡県袋井市)が、同日より先行受注を開始すると発表した。2022年7月から自動運転の小型電気自動車(EV)を使った搬送サービスを提供する。
ティアフォーが開発を主導するオープンソースの自動運転OS「Autoware」の技術と、ヤマハ発動機の車体開発技術を掛け合わせて共同開発した。開発するうえで大きな課題だった「高い初期費用」と「長期間に及ぶ導入工事」の2点をクリアした。その結果、導入のための長期工事は不要で、工場内などの物流コストを低減できるという。
日立 中国での昇降機の累計出荷台数100万台突破
日立製作所は9月2日、中国での昇降機の出荷台数が1日に100万台を突破したと発表した。中国へは2020年に年間12万台を出荷し、2018年から3年連続で昇降機新設受注台数でシェア1位を維持しているという。今回、中国における昇降機の製造・販売・サービスを担う日立電梯(中国)有限公司の成都工場から出荷され、9月1日に累計出荷台数が100万台に到達した。
相鉄バス・群馬大 横浜市内の公道で自動運転バスの実証
相鉄グループの相鉄バス(本社:横浜市西区)、群馬大学(所在地:群馬県前橋市)、日本モビリティ(本社:群馬県前橋市)は9月2日、相鉄バスとして初めて9月20日から24日までの5日間、横浜市内の公道で路線バスの営業運行による自動運転バスの実証実験を実施すると発表した。
相鉄線二俣川駅(横浜市旭区)と横浜市の大規模団地再生モデル構築事業の対象団地である左近山団地(横浜市旭区)間を走行する路線バスの一部区間(二俣川駅南口~左近山第5、往復約9km)の公道を、大型の自動運転バスを用いて営業運行する。駅に接続する自動運転バスの実証実験としては、神奈川県内で初めてとなる。
インドネシア LNGプロジェクトの開発計画 政府が承認
インドネシア西パプア州のタングーLNGプロジェクトでCCUS(温室効果ガス輩出量の削減を図る技術)事業を含む開発計画について、同事業に携わる企業連合は8月30日、SKK(インドネシア石油ガス上流事業監督執行機関)の承認を得たと発表した。
同開発計画には、新規ガス田開発(ウバダリガス田)のほか、生産中のヴォルワタガス田におけるCCUS技術の適用によるCO2排出量の削減および天然ガスの生産効率向上・増産事業が含まれている。同プロジェクト全体のCCUS事業で、天然ガスの生産に伴い排出されるCO2を累計で約2,500万トン回収し、ヴォルワタガス田に再圧入・貯留することで、CO2の排出削減と同時に天然ガスの生産効率向上・増産を図る。この結果、同プロジェクト全体のCO2排出量が約半分に削減されることになる。
銅事業に携わるのは双日、住友商事、エルエヌジージャパン、三井物産、JX石油開発、INPEX、三菱商事の7社。