大阪大学の石黒浩教授は9月7日、アバター(分身)技術の実用化を目指す新会社「AVITA(アビータ)」を設立したと発表した。石黒氏はロボット研究で世界的に知られている。AVITAを軸にアバター技術を、石黒氏がプロデューサーの一人として携わる2025年「大阪・関西万博」で導入するほか、実社会でも積極サービスなどに活用していく考え。
トヨタ 30年までに車載電池に1.5兆円投資 コスト半減目指す
トヨタ自動車は9月7日、2030年までに電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など電動車に使う車載電池の増産や研究開発に1兆5,000億円を投じると発表した。これにより、EVで1台当たりの生産コストの3割を占めるといわれる高い電池のコストを、半分に低減することも目指す。
トヨタは今春、2030年に世界販売1,000万台のうち電動車を800万台にする目標を掲げた。課題は電動車の大量生産に呼応した電池の安定的な調達。巨額投資により、できる限り外部に依存しない自前調達により確保する。
トヨタにはパナソニックと共同で出資する車載電池の生産子会社がある。現在は日本や中国に工場があり、世界で増産に向けた体制を整える。
トヨタの2020年度の電動車の販売は約215万台だった。この大半はエンジンとモーターを併用するHVが占めた。これを2030年には走行中に二酸化炭素(CO2)を全く出さないEVや燃料電池車(FCV)が約200万台、HVや充電が可能なプラグインハイブリッド車(PHV)を約600万台とするのが目標。
独VW 25年に独で自動運転車で配車サービスを商用化
ドイツフォルクスワーゲン(VW)は9月5日、2025年にドイツで自動運転車の商用サービスを開始すると発表した。米国のフォード・モーターと共同出資する自動運転開発会社、米アルゴAIと共同で開発した車両を約100台投入し、乗り合いタクシーとして事業化する。順次、規模や提供エリアを広げ、新たな収益源に育てる。
「ワーゲンバス」として知られるミニバンをEVとして復活させる「ID.BUZZ(バズ)」をベースにした自動運転車両を使う。特定の条件下で完全自動運転ができる「レベル4」の自動運転車だ。他の車両や障害物などを判別するために複数のカメラやレーダー、高性能センサー(ライダー)を搭載する。
日本ゼオン タイで自動車用アクリルゴムの本格生産開始
日本ゼオン(本社:東京都千代田区)は9月3日、タイ東部ラヨーン県のマプタプット工業団地に新たに設置した現地法人「ゼオン・ケミカルズ・アジア」が、8月にアクリルゴムの生産を開始したと発表した。
アクルルゴムは、耐熱性・耐油性に優れた特殊ゴムの1つで、その特性を生かし、内燃機関搭載車にシールやガスケット、ホースなどの素材として使用されており、アジア地域を中心に今後も需要増が見込まれている材料。
ゼオングループでは、これまで日本(川崎・倉敷)、米国の3拠点でアクルルゴムを生産しており、今回のタイの商業生産開始により、グループ全体のアクルルゴム生産量は年間2万2,000トンとなり、世界4拠点からグローバルに供給する体制を強化する。
ミニストップ 中国・青島の子会社解散 10/15店舗営業終了
流通大手イオン傘下のコンビニエンスストア、ミニストップ(本社:千葉市)は9月6日、中国事業を手掛ける現地子会社、青島ミニストップ有限公司(本店所在地:山東省青島市)を解散し、清算することおよび同社に対する貸付金を放棄すると発表した。10月15日に店舗の営業を終了し、関連の手続きが終了し次第、清算となる。
将来の見通しを総合的に判断し、グループ経営の最適化、経営資源の集中と効率化の観点から、同社の解散を決めた。なお、中国遼寧省におけるエリアフランチャイズ契約は継続する。
東レと独シーメンス・エナジー グリーン水素製造で提携
東レ(本社:東京都中央区)とドイツのエネルギー企業、シーメンス・エナジーAG(本社:ドイツ・バイエルン州ミュンヘン)は9月6日、再生可能エネルギーで発電した電力で水を電気分解してつくる「グリーン水素」に関する戦略的提携で基本合意したと発表した。大型の水電解装置を手掛けるシーメンスに、東レが中核部材を提供するほか、グリーン水素の製造装置を共同開発するとともに、水素のグローバル供給網の構築でも協力する。