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記憶遺産登録へ「杉原リスト」など申請書提出

記憶遺産登録へ「杉原リスト」など申請書提出

第2次世界大戦中にユダヤ人のビザを大量発給し、ナチス・ドイツの迫害から救った外交官、杉原千畝氏(1900~1986年)の関連資料「杉原リスト」のユネスコ(国連教育科学文化機関)記憶遺産登録に向け、岐阜県八百津町の金子政則町長は5月19日、古田肇同県知事とともに文部科学省に山脇良雄国際統括官を訪ね、申請書を日本ユネスコ国内委員会に提出した。
群馬県高崎市にある古代石碑「上野石碑」の登録を目指す同県なども同日、申請書を提出した。日本ユネスコ国内委は5月中にユネスコへ申請書を送付する。

国立西洋美術館 世界遺産登録へ ル・コルビュジエ設計

国立西洋美術館 世界遺産登録へ ル・コルビュジエ設計

「近代建築の巨匠」と呼ばれたフランス人建築家、ル・コルビュジエが設計した東京・上野の国立西洋美術館について、ユネスコの諮問機関・イコモスは「世界遺産に登録することがふさわしい」とする勧告をまとめた。これにより国立西洋美術館は7月にトルコで開かれるユネスコの世界遺産委員会で正式に世界遺産に登録される見通しとなった。
国立西洋美術館は、ル・コルビュジエが設計した日本で唯一の建造物。日本やフランスなど7カ国は、コルビュジエが20世紀の世界中の建築や都市計画に大きな影響を与えたとして、世界文化遺産への登録を目指し合わせて17の作品を共同で推薦している。
日本の世界遺産は文化遺産が15件、自然遺産4件の19件あるが、他国との共同推薦で登録されるのは初めて。

伊東マンショ肖像画初公開 16世紀の天正遣欧使節

伊東マンショ肖像画初公開 16世紀の天正遣欧使節

2014年にイタリアで発見された天正遣欧少年使節団メンバーの一人、伊東マンショの肖像画(ドメニコ・ティントレット筆)が、東京・上野の東京国立博物館で初公開されている。
これはイタリア・ミラノのトリヴルツィオ財団が所蔵する油絵で、1585年にキリシタン大名の代理としてローマ法王に謁見するため、ベネチアを訪問した時の姿とされる。肖像画のサイズは縦54㌢、横43㌢。日本とイタリアの国交樹立150周年になるのを記念した行事の一つ。
一般公開されるのは世界で初めて。5月17~7月10日(月曜休館)まで。一般620円、大学生410円、70歳以上は無料。

葵祭 新緑の都大路に平安装束の行列 沿道に8万人の観客

葵祭 新緑の都大路に平安装束の行列 沿道に8万人の観客

京都三大祭りの一つ「葵祭」が5月15日行われ、平安装束に身を包んだ行列が京都御所~上賀茂神社まで新緑の都大路を練り歩いた。
葵祭はおよそ1,400年前に欽明天皇が五穀豊穣を祈って馬を走らせたのが始まりとされている。
京都御所で今年、「斎王代」を務める西村和香さん(26)が「輿(こし)」に乗り込むと、祭の名前の由来になった植物のフタバアオイを衣装などに飾ったおよそ500人の行列が出発。沿道には、警察発表でおよそ8万人の観光客・見物客が集まり、長い行列を見守った。行列は出発からおよそ5時間後に京都市北区の上賀茂神社に到着した。

国宝や重文172件がいぜん所在不明 文化庁

国宝や重文172件がいぜん所在不明 文化庁

文化庁は5月13日、国宝や重要文化財(重文)の美術工芸品が多数所在不明になっている問題で、調査状況を発表した。2015年1月21日現在で所在不明だった180件のうち10件と、調査中の68件のうち9件の所在を確認し、新たに2件の所在不明が判明した。
これにより、所在不明の文化財は172件となった。また、国宝7件を含む58件は引き続き調査中としている。所在が確認できたのは国宝3件と重文16件。

『神皇正統記』の中世写本 福島県只見町で発見

『神皇正統記』の中世写本 福島県只見町で発見

福島県只見町教育委員会は5月12日、南北朝時代の歴史書『神皇正統記』を1587年(安土桃山時代)に書写した写本が町内で見つかったと発表した。同署の中世写本の発見は県内で初めて。県や町の文化財指定を受けることを検討している。
今回見つかった写本は①綴葉装(てつようそう)という、『源氏物語』など平安時代以降の文学書で用いられている、日本の伝統的な装丁②大部分の漢字に振り仮名が付けられている③音読みと訓読みの符号がある④歴史的なできごとを記したページに付箋がある-などが特徴。
本には上野国(群馬県)の寺で祐俊という僧侶が書写したことが記されている。この写本は江戸時代の医者だった同町黒谷の原田家にあった。
調査を担当した東洋大の久野俊彦講師は「中世末期の本の読まれ方が分かる貴重な資料。表紙や糸が装丁当時のままで破損がなく、文化財として重要だ」としている。また、国立歴史民俗博物館の小池淳一教授は「会津の中世文化を解明する手掛かりになる」と話している。
神皇正統記は公家の北畠親房が1339年に著した、天皇を中心に歴史をたどり、南朝の正統性を主張した歴史書。原本は現存せず、約20点の中世写本が伝えられ、国や自治体の文化財に指定されている。