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「山・鉾・屋台」の全国33巡行行事が無形文化遺産登録

「山・鉾・屋台」の全国33巡行行事が無形文化遺産登録

国連教育科学文化機関(ユネスコ)は11月30日、エチオピアで開いた政府間委員会で、全国33件の日本の祭りで構成する「山・鉾・屋台行事」を無形文化遺産に登録した。このうち、「京都祇園祭の山鉾巡行」(京都府)と「日立風流物」(茨城県日立市)は2009年に無形文化遺産登録されていたが、政府は今回、同じ特徴を持つ祭礼行事をまとめ一つのグループとして文化遺産申請することで、登録対象を広げた。

後期難波宮の「官衙」など役所建物群跡見つかる

後期難波宮の「官衙」など役所建物群跡見つかる

大阪市教育委員会は11月30日、奈良時代、726年に聖武天皇が造営した後期難波宮(大阪市中央区)で、役人が文書処理など執務した役所「官衙」とみられる建物群の跡が見つかったと発表した。
官衙跡は、7世紀中ごろの飛鳥時代、孝徳天皇によって整備された前期難波宮では発見されていたが、後期難波宮で確認されたのは初めて。
発掘現場は、天皇が重要儀式や執務をした大極殿など主要建物群の西側。塀とみられる柱穴で仕切られた区域に、4棟の掘っ立て柱式建物群が見つかり、うち2つは官衙によくみられる細長い建物だった。
官衙跡のすぐ北側には東西に一直線に並ぶ11個の柱穴を発見。天皇が出入りするような格式の高い門を構えた「五間門区画」の一部とみられ、南北約200㍍、東西約120㍍以上の大規模施設があったことも判明した。
現地説明会は12月3日、13時~15時。

大宰府守る7世紀の大規模土塁発見 福岡県筑紫野市丘陵

大宰府守る7世紀の大規模土塁発見 福岡県筑紫野市丘陵

福岡県筑紫野市教育委員会は11月28日、同市の丘陵上で長さ500㍍に及ぶ大規模な7世紀の土塁が見つかったと発表した。
古代、九州を統括し、朝鮮半島からやって来る諸外国に対する、国家外交の最前線だった大宰府を守る防塁とみられる。同市教委は「大宰府都城の外郭線」とみており、未確認の広大な防衛ラインが敷かれていた可能性が出てきた。丘陵上の土塁の確認は今回が初めて。
現場は、政治の中枢だった大宰府政庁跡(太宰府市)から南東約7㌔㍍の前畑遺跡。土塁は土を盛って壁のようにめぐらせた防御施設で、高さ約1.5㍍、下部の幅は約13.5㍍。2段構造で東側が急斜面になっている。標高49~61㍍の尾根をほぼ南北方向に約500㍍(残存部分390㍍)にわたって走る。土を何度も突き固める版築工法で造られていた。

遺跡から探る災害復興 高知で「発掘された日本列島」

遺跡から探る災害復興 高知で「発掘された日本列島」

高知県南国市岡豊町の高知県立歴史民俗資料館で開催中の特別展「発掘された日本列島2016」で、災害復興をテーマにした展示が行われている。火山噴火や大地震、洪水など災害に見舞われた地域がいかに復興したかを遺跡から探る。東日本大震災後の道路整備や高台移転に際して、東北3県で実施された発掘調査の成果も紹介している。展示は12月18日まで。
近年発掘された注目の全国36施設約750点の出土品を展示する企画展では、特別展として災害復興の痕跡が確認された旧石器~江戸時代の7遺跡のパネルや遺物が並ぶ。
圧巻は福島県相馬市の段ノ原B遺跡で見つかった約6,000年前の大地震に伴う地割れの痕跡。竪穴住居が並ぶ高台の縄文集落を分断する長さ92㍍、幅2~6㍍、深さ0.2~2.5㍍の溝状の亀裂だ。溝からは約4,600点の土器や石器が出土し、地震で破損した土器や倒壊した家屋の廃材などのがれきの処理が行われていたことが分かった。遺跡は竪穴102棟が見つかった大集落で、被災後も住民は集落を放棄せず、暮らし続けることを選んだとみられている。
このほか、弥生時代に洪水の土砂で集落が埋まり、丘陵上に”高台移転”したことが分かる玉津田中遺跡(兵庫県)や、富士山の宝永大噴火(1707年)後に積もった火山灰を埋め、耕作土を掘り起こして畑を復旧した「天地返し」の痕跡が確認できる横野山王原遺跡(神奈川県)などが紹介されている。また、東日本大震災後の災害復興工事に伴って発掘された7遺跡についても紹介している。

豊橋・西側北遺跡で国内最古級の竪穴建物跡を確認

豊橋・西側北遺跡で国内最古級の竪穴建物跡を確認

愛知県豊橋市の文化財センターは11月22日、同市牛川町で見つかった「西側北遺跡」で、縄文時代草創期(約1万1,000年前)の日本最古級の竪穴建物の跡が確認されたと発表した。当時の人々の生活を知る貴重な手掛かりになるとみられる。
同センターによると、建物の跡は卵形で長径が約3.5㍍、短径が約3㍍で、中央部分が浅いすり鉢状にへこんでいる。また、外周の壁や建物内部の柱の跡も確認。さらに約1万1,000年前の「押圧(おうあつ)縄文土器」という、縄を表面に押し付けてつくった土器も出土した。
これらが根拠となり、建物跡は約1万1,000年前のものと分かった。同種の建物は東海地方では三重県松阪市で見つかっているが、愛知県内では初めてという。11月27日午前10時半と午後1時半の2回、現地説明会がある。

箸墓古墳周辺区域「周濠」を国の史跡指定へ

箸墓古墳周辺区域「周濠」を国の史跡指定へ

邪馬台国の女王、卑弥呼の墓という説もある奈良県桜井市の箸墓古墳で、古墳を囲む堀が残るとみられる周辺の区域が、新たに国の史跡に指定され、保存が図られることになった。
新たに史跡に指定されるのは、箸墓古墳の西側のおよそ1万5,000平方㍍の区域で、この場所には古墳を取り囲む「周濠」と呼ばれる堀が残っているとみられている。昨年、商業施設の建設計画が持ち上がったため、地元の桜井市が開発を規制しようと、史跡への指定を国に申請していたもの。同市は史跡の指定後に、商業施設の予定地を公有地として事業者から買い取ることにしている。
箸墓古墳は全長およそ290㍍の巨大な前方後円墳で、宮内庁が皇族を埋葬した「陵墓」として管理している。