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福岡県・沖ノ島 世界文化遺産へ イコモスが登録勧告

福岡県・沖ノ島 世界文化遺産へ イコモスが登録勧告

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に福岡県宗像(むなかた)、福津(ふくつ)両市の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連文化遺産群」が登録される見通しとなった。
事前審査する諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)が「登録」を勧告したため。ただ、日本が推薦していた主要な5件の構成遺産群のうち、認められたのは沖ノ島だけで、それ以外は除外するとの条件が付いた。したがって、関係者の思いは複雑で、喜びも半ばといった印象。関係自治体のコメントにも、推薦意義が十分に理解されなかったことに無念の思いがにじむ。7月2日からポーランドで開かれる世界遺産委員会で最終的に判断される。
遺産群は「日本書紀」に登場する海の女神が鎮座する宗像大社沖津宮がある沖ノ島、本土から約11㌔沖の大島にある中津宮と沖津宮遥拝(ようはい)所、本土にある宗像大社辺津宮(へつのみや)、信仰を支えた宗像族の墓とされる新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群-などが国内候補として推薦されていた。

弥生時代後期淡路「五斗長垣内」の鉄器復元

弥生時代後期の淡路「五斗長垣内」の鉄器復元

兵庫県淡路市黒谷にある弥生時代後期の鍛冶公房跡「五斗長垣内(ごっさかいと)」遺跡」(国史跡)にこのほど、発掘された鉄器の復元品を集めた展示室が設けられた。
切り出しナイフのような小型工具や矢じり、長さ17.9㌢の鉄斧のほか、同時期の鉄器加工法を実験した道具類を含む18点が並びパネル10枚で遺跡の全容を解説している。遺跡からは120点を超す鉄器が見つかったが、空気に触れると腐食が進むため、実物の展示が難しい。
同市教育委員会は実物から採った型で樹脂製の復元品をつくり、本物と寸分違わないよう着色。加工実験に用いた道具類では、ハスの茎製の送風管、焼いた鉄を叩いて加工するため遺跡周辺や瀬戸内海沿岸で拾い集めた石材が並ぶ。同市教委では、島で栄えた鉄器文化に理解を深めてほしい。今後展示室で実物を見てもらう機会を設けたい-としている。

京都・下鴨神社の勇壮「流鏑馬神事」に2万人

京都・下鴨神社の勇壮「流鏑馬神事」に2万人

8月の祇園祭、10月の時代祭とともに、京都三大祭の一つとして知られる葵祭(5月15日)の平穏無事を祈る「流鏑馬(やぶさめ)神事」が5月3日、世界遺産、下鴨神社(京都市左京区)で行われた。
約2万人の参拝者、観光客らが見守る中、公家や武家の装束に身を包んだ弓馬術礼法、小笠原流の射手が次々と登場。馬を駆り、約400㍍の馬場を砂を巻き上げながら疾走。途中、3カ所ある約50㌢四方の杉板の的に、馬上から放った矢が命中すると、その都度「カーン」という乾いた音が境内に響き渡った。
この人馬一体の勇壮な伝統技、流鏑馬神事は5世紀ごろから行われていたとされるが、たびたび中断。昭和48年に約100年ぶりに復活してからは、新緑の季節の恒例行事となっている。

江戸風俗画の傑作、国宝「彦根屏風」特別公開

江戸風俗画の傑作、国宝「彦根屏風」特別公開

江戸時代の風俗画の傑作とされ、彦根藩主の井伊家に伝わる国宝の「彦根屏風」が滋賀県彦根市の彦根城博物館で特別公開されている。5月16日まで。
彦根屏風は縦およそ1㍍、横およそ3㍍で、江戸時代に世相・風俗など流行の発信源の一つだったとされる京都の遊郭、「遊里」で遊女が三味線を弾いたり、男女がすごろくを楽しむ様子など、当時の文化や暮らしぶりが、狩野派と思われる絵師により、生き生きと描かれている。

朝倉義景の書状発見 既定の評価とは違う一面示す

朝倉義景の書状発見 既定の評価とは違う一面示す

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館(福井市)は、戦国大名、朝倉義景の書状が見つかったと発表した。書状は縦11㌢、横36.7㌢で、一部で剥落はあるが、ほとんどは読める状態で、筆遣いや義景の花押などから本物と確認した。
この書状は現在の滋賀県高島市の一部を治めていた朽木元網へ宛てたもので、将軍足利義昭と織田信長の対立の状況をうかがうことができる内容が記されている。
将軍義昭が信長と敵対する状況を受けて、義景が前日に敦賀へ出陣したという報告や、義昭の意向に従って行動する意志なども記されている。信長方武将とみられてきた朽木氏が義昭方についたことに触れている。
このほか、現存する書状などから”弱腰”との評価の多い義景だが、実は義景が情報収集しながら、出兵の機を狙っていたことがうかがわれる内容も含まれている。これまでの義景の評価・人物像とは違う一面が見える書状だ。
この書状は同資料館で5月31日まで公開されている。

内陸部の岐阜で1700万年前のヒゲクジラの化石発見

内陸部の岐阜で1700万年前のヒゲクジラの化石発見

岐阜県瑞浪市化石博物館は4月28日、海のない岐阜県の同市内で約1700万年前のヒゲクジラ類とみられる化石が発見されたと発表した。
同館と名古屋大学などの調査の結果、約1700万年前には海底だった「瑞浪層群明世(あけよ)層」と呼ばれる地層から頭骨や耳骨、下顎(かがく)、肋骨(ろっこつ)、背骨など約40点を確認した。全長は推定4~5㍍。頭部から尾の先までほぼすべての部位がまとまって見つかったのは、東海地方では初めてといい、新種の可能性もあるという。