平城京 六条大路南北側溝を発見 大安寺旧境内で
奈良市教育委員会埋蔵文化財調査センターは11月16日、同市東九条町の史跡、大安寺境内から奈良時代の平城京六条大路南北側溝とみられる溝が見つかったと発表した。
2016年に、今回の調査現場から西へ約50㍍の場所で南側溝を確認しており、境内の東西を大路が横断していたことを裏付けた。平城京内で最大の寺域を誇った大寺の姿を知る貴重な資料となる。
ロシアの永久凍土から絶滅した肉食獣見つかる
日本とロシアの共同研究チームによると、ロシアの永久凍土の中から、およそ1万年前に絶滅したとされる謎の肉食獣「ホラアナライオン」の赤ちゃんが見つかり、詳しく調べたところ、5万年以上前に生まれたとみられることが分かった。
11月15日会見した研究グループによると、2015年、ロシアのサハ共和国の永久凍土の中から、このホラアナライオンの赤ちゃん2頭が見つかり、このうち1頭は体長40㌢、重さ3㌔で、顔には毛が残り、まるで眠っているように見えるほど保存状態がいいという。同グループは9月にも、この2頭よりも成長したホラアナライオンの赤ちゃん1頭が見つかったとしている。
ホラアナライオンは、マンモスやサーベルタイガーなどと同じ時期にユーラシア大陸などに生息分布していた肉食獣で、およそ1万年前に絶滅したとされ、これまで見つかった化石も少ないため、体の特徴などは謎のままとなっていた。
世界の地質時代に初、日本の地名「チバニアン」濃厚に
千葉県市原市の地層が、国際学会「国際地質科学連合」が決定する国際標準模式地の1次審査を通過。世界9カ国16人の専門家による、イタリア南部2カ所との投票選考で退けた。上位組織での審査がまだ残っているが、約77万~12万6000年前の地質時代が「千葉の時代」を意味する「チバニアン」と呼称され、世界の地質時代に初めて日本の地名が付く可能性が濃厚となった。
決め手は「千葉セクション」と呼ばれる千葉県市原市の地層で、確認できる地磁気逆転の痕跡と年代だ。地球は大きな磁石だ。過去に何百回もN極とS極が入れ替わっており、最後の逆転が起きた時期の特定が課題だった。それは磁力を持つ鉱物が含まれる岩石を調べれば、その時代のN極とS極の向きが分かる。
千葉セクションは240万年前から50万年前までの地層が観察できる希少な場所で、磁場逆転の痕跡も確認できる。この地層の堆積物を分析し、最後の逆転が77万年前だった証拠を見つけ、2年前に発表していた。
銀閣寺の国宝「東求堂」公開 現存最古の四畳半の間
室町時代の八代将軍、足利義政が隠棲したとされる銀閣寺(慈照寺、京都市左京区)が、境内にある国宝建造物「東求堂(とうぐどう)」を公開している。現存最古といわれる四畳半の間「同仁斎(どうじんさい)」や義政の座像などが訪れる人たちを中世の東山文化に誘っている。
東求堂は文明18(1486)年の建立。入母屋造り、檜皮葺(ひわだぶ)きで、義政の持仏堂だった。4つの部屋のうち、仏間には阿弥陀如来立像とヒノキの寄せ木造りの義政像があり、そこから銀閣(観音殿)や白砂を盛った「銀沙灘(ぎんしゃだん)」が見える。
同仁斎には付書院の中央に硯(すずり)と硯屏(けんびょう)が置かれ、巻物、筆、墨、水差し、印箱などが並べられている。中国画を鑑賞するための秘伝書「君台観左右帳記」に描かれた室町時代の座敷飾りを再現しているという。公開は11月30日まで。