西田幾多郎の多数の直筆ノート見つかる
「善の研究」などの著書で知られ近代日本を代表する哲学者、西田幾多郎(きたろう、1870~1945年)の遺族宅で、西田直筆の多数のノートが見つかった。
石川県かほく市の西田幾多郎記念哲学館などが、修復とともに読み解きを進めており、専門家はノートの修復や読み解きが今後の哲学研究のモデルになると指摘している。
西田は、西洋思想と東洋思想を融合させた独自の哲学体系をつくり、当時の知識人や若者に大きな影響を与え、「京都学派」の中心となった。
長崎・天草の「潜伏キリシタン」世界文化遺産に登録決定
バーレーンのマナマで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は6月30日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本両県)を世界文化遺産に登録することを決めた。日本の文化遺産は18件目で、自然遺産(4件)と合わせると世界遺産は22件となった。
登録されるのは、江戸幕府がキリスト教の信仰を禁じた17~19世紀、日本古来の伝統的な宗教や社会と”共生”しながら、密かに信仰を守り続けた「潜伏キリシタン」が育んだ独特の文化的伝統を示す遺産群。
禁教のきっかけとなった島原・天草一揆の舞台となった原城跡や信仰を集めた離島も含む集落や集落跡、長崎市内の大浦天主堂など12の構成資産すべてが対象となった。
淡路島で紀元前に埋納された最古級の銅鐸を確認
兵庫県南あわじ市教育委員会は6月27日、同市で2015年に見つかった弥生時代の青銅器「松帆銅鐸(まつほどうたく)」の科学分析の結果、朝鮮半島産の鉛を含むなど弥生時代中期前半(紀元前4~前3世紀)の最古級の銅鐸と同じ特徴を持つことが分かったと発表した。多数の銅鐸が土中に埋められたのが、紀元前に遡って最古の事例となる可能性が強まった。
同市教委が奈良文化財研究所(奈良市)に依頼、銅鐸7個と、一緒に見つかった音を鳴らすための「舌(ぜつ)(=振り子)」7個について、元素の種類や含有量を測定する発光分光分析と鉛の同位体比から産地を推定する分析を行った。
銅鐸は豊作や集落の安全を祈るコメづくりを中心とした農業のまつりに使われたとされる。