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京都・嵐山で2年ぶり「三船祭」復活 清少納言登場

京都・嵐山で2年ぶり「三船祭」復活 清少納言登場

平安時代の船遊びを再現した京都・嵐山の「三船祭」が5月17日、2年ぶりに復活し、船上で平安装束をまとった男女が舞楽を奉納した。渡月橋上流の大堰川で行われる三船祭。今回は新たに清少納言役の女性が十二単(ひとえ)姿で登場。御座船に乗り、故事にちなむ「扇流し」を披露。微笑みながら約100本の扇子を1本ずつ川面に浮かべた。集まった観光客らは、新緑に包まれた川面に広がる優雅な王朝絵巻の世界にひととき浸っていた。
三船祭は、台風被害や、これまで主催していた車折(くるまざき)神社の資金難で2014年は中止となったが、今年は地元有志が主催した。

古都・奈良に初夏の訪れ「薪御能」始まる

古都・奈良に初夏の訪れ「薪御能」始まる

古都・奈良に初夏の訪れを告げる伝統行事「薪御能(たきぎおのう)」が5月15日、奈良文化会館(奈良市)で始まった。薪御能は平安時代、興福寺の法会「修二会(しゅにえ)」で猿楽が演じられたのが始まり。春日大社で「式年造替(しきねんぞうたい)」が進むのを記念し、大社周辺を舞台とした金春流の「野守」を上演した。
初日の夜は雨が予想されたため、舞台を興福寺から県文化会館に移して開催された。16日は春日大社で金春流、興福寺で観世流と金剛流による能が上演される。

松江城天守 国宝に 63年ぶり5例目

松江城天守 国宝に 63年ぶり5例目

文化審議会は5月15日、江戸時代初めの1611年に築かれた松江城天守(島根県松江市)を国宝に、現在は東京都庭園美術館の旧朝香宮邸(東京都港区)など9件を新たに重要文化財に指定するよう、下村博文文部科学相に答申した。
現在の文化財保護法による天守の国宝指定は63年ぶり5例目。国宝に指定されている天守は姫路城(兵庫県姫路市)、松本城(長野県松本市)、犬山城(愛知県犬山市)、彦根城(滋賀県彦根市)の4城。

高野山・壇上伽藍で「旧正御影供」前夜祭

高野山・壇上伽藍で「旧正御影供」前夜祭

開創1200年大法会でにぎわう高野山(和歌山県高野町)の壇上伽藍(がらん)で5月8日、弘法大師空海をしのぶ法会「旧正御影供」の前夜祭が開かれた。空海は旧暦の3月21日に入定。今年は5月9日が命日にあたる。メーン会場の御影堂の周りが花とろうそくで埋め尽くされ、幻想的な雰囲気の中、御影堂内で御逮夜法会が始まった。その後、この日だけ参拝できる券を持った参拝客3000人が堂内に入り、祈りを捧げた。

「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産勧告で各地賑わう

「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産勧告で各地賑わう

「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録勧告から一夜明けた5月5日、各地の構成資産では大勢の人で賑わった。静岡県伊豆の国市の「韮山(にらやま)反射炉」では、午前9時の開場前に約100人が列をつくり、この日だけで計4626人が訪問。2005年の広域合併で伊豆の国市が誕生以降、最多となった。長崎市の長崎港を発着する端島(はしま)炭鉱(軍艦島)上陸ツアーも、、ほぼ満席となった。三井三池炭鉱の主力坑だった万田坑(熊本県荒尾市)は、最近5年間の1日の入場者数として最多の約1460人が訪れた。

明治産業革命23施設 ユネスコに世界遺産登録を勧告

明治産業革命23施設 ユネスコに世界遺産登録を勧告

日本が世界文化遺産に推薦していた「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」(福岡、長崎、静岡など8県)について、世界遺産への登録の可否を調査する諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部・パリ)は5月4日、「登録が適当」と国連教育科学文化機関(ユネスコ)に勧告した。
勧告は「西洋から非西洋国家に初めて産業化の伝播が成功したことを示す」「1853年から1910年までのわずか50年余りという短期間で急速な産業化が達成された段階を反映している」として、普遍的価値があると評価。6月にドイツのボンで開かれる第39回ユネスコ世界遺産委員会で正式決定する。世界遺産委員会でもそのまま認められる可能性が極めて高い。
「産業革命遺産」が登録されれば、日本の世界文化遺産は2014年の「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)に続き15件目、世界自然遺産も含めた世界遺産は国内19件目となる。
産業革命遺産は、通称「軍艦島」で知られる「端島(はしま)炭鉱」(長崎市)、長州藩が西洋式帆船を造るために設置した「恵美須ヶ鼻造船所跡」(山口県萩市)、薩摩藩が手掛けた機械工場や反射炉の遺構で構成する「旧集成館」(鹿児島市)、幕末に実際に稼働した反射炉で国内で唯一現存する「韮山(にらやま)反射炉」(静岡県伊豆の国市)–など、日本の近代化を支えた炭鉱、製鉄、造船などの23施設で構成される。