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中国・長江デルタで約4400年前の大規模な気候寒冷化の発生を発見

中国・長江デルタで約4400年前の大規模な気候寒冷化の発生を発見

東京大学と日中の研究機関の共同研究グループは、中国・長江デルタの近傍から採取された海洋堆積物コアを用いて、過去の表層海水温変動を復元した結果、約4400年前~3800年前に大規模かつ複数回の急激な気候寒冷化イベントが発生したことを発見した。
長江デルタでは約7500年前から、世界最古の水稲栽培を基盤とした新石器文明が栄えたが、約4200年前に突然消滅し、その後約300年間にわたり文明が途絶えた。原因について、これまで統一的な見解は得られていなかったが、今回明らかになった気候寒冷化イベントがこの一因になった可能性が高いとしている。

ナマハゲなど8県の「来訪神」が無形文化遺産に登録決定

ナマハゲなど8県の来訪神が無形文化遺産に登録決定

インド洋・モーリシャスで開催されている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は11月29日、無形文化遺産に日本の「男鹿(おが)のナマハゲ」(秋田県)など8県の10行事で構成される「来訪神(らいほうしん) 仮面・仮装の神々」を登録することを決めた。
今回無形文化遺産に登録されたのは①男鹿のナマハゲ(秋田県男鹿市)②吉浜のスネカ(岩手県大船渡市)③米川の水かぶり(宮城県登米市)④遊佐の小正月行事(山形県遊佐町)⑤能登のアマメハギ(石川県輪島市能登町)⑥見鳥のカセドリ(佐賀市)⑦甑島(こしきじま)のトシドン(鹿児島県薩摩川内市)⑧薩摩硫黄島のメンドン(鹿児島県三島村)、➈悪石島のボゼ(鹿児島県十島村)⑩宮古島のバーントゥ(沖縄県宮古島市)。
2009年に単独で登録された「甑島のトシドン」(鹿児島県)に、新たに9行事を加えて1つの無形文化遺産として申請していた。したがって、日本の無形文化遺産登録件数は21件で変わらない。

奈良県高取町で渡来人の「大壁建物」跡発見、最大・最古級か

奈良県高取町で渡来人の「大壁建物」跡発見、最大・最古級か

奈良県高取町の教育委員会は11月27日、同町の市尾カンデ遺跡で古墳時代、朝鮮半島から日本にわたってきた渡来人が建てたとされる「大壁建物」の複数の建物跡が新たに16棟見つかったと発表した。
同委員会では、周辺で見つかった土器などから古墳時代の4世紀末から5世紀初めの、これまで見つかった中で最も古いものだとしている。また、今回見つかったうちの1棟は東西14.5㍍、南北13㍍あり、これまでで最大級だという。
大壁建物はこれまで奈良県、滋賀県を中心に150棟が見つかっており、これまではすべて5世紀中ごろ以降のものとされていた。

惑星誕生の謎に迫れるか 火星に米探査機「インサイト」着陸

惑星誕生の謎に迫れるか 火星に米探査機「インサイト」着陸

米国NASA(アメリカ航空宇宙局)の探査機「インサイト」が日本時間の11月27日午前5時前、火星への着陸に成功した。火星の内部を詳しく調べることで、地球がどのようにできたのか、惑星の誕生の謎に迫ることができると期待されている。
インサイトはこれから2年間にわたり、火星で起こる地震の揺れの大きさや伝わリ方を観測するほか、深さ5㍍の穴を掘って地下深くから伝わる熱を計測する。
インサイトは5月に打ち上げられておよそ7カ月間、4億8,000万㌔㍍余を飛行して、日本時間の27日、火星の大気圏に突入した。そしてパラシュートなどを使って、火星の赤道のやや北にある「エリシウム平原」と呼ばれる比較的平らな地表に無事着陸した。

「仁徳陵」で埴輪列、石敷き確認 宮内庁・堺市が初の共同調査

「仁徳陵」で埴輪列、石敷き確認 宮内庁・堺市が初の共同調査

宮内庁と大阪府堺市は、10月下旬から今回初めて共同調査している国内最大級の前方後円墳の調査状況を11月22日、報道陣に発表した。これは堺市にある「仁徳天皇陵」とも「大山古墳」とも呼ばれている古墳の調査で、墳丘を取り囲む堤の部分から築造当時のものとみられる一列に並べられた円筒埴輪や石が敷き詰められた跡が見つかった。
調査は墳丘を3重に取り囲む濠(ほり)と濠の間にある2つの堤のうち、内側にある堤の3カ所を掘り下げて行われた。現場には22日、考古学や歴史学に関する16の団体の40人余りの研究者も入り、およそ1時間半ほど見学した。
宮内庁が管理している陵墓は外部の立ち入りが厳しく制限されており、今回初めて共同調査として行われた。

安土桃山時代に初期キリシタンが描いた宗教画発見

安土桃山時代に初期キリシタンが描いた宗教画発見

安土桃山時代に日本人の信徒、初期のキリシタンが描いたとみられる宗教画が見つかった。見つかったのは和紙をつなぎ合わせた幅22㌢、長さ3㍍余の巻物で、「受胎告知」や「聖霊の降臨」などキリストと聖母マリアの生涯の15の場面が墨絵で描かれている。
巻末には安土桃山時代にあたる「千五百九十二年」と書かれていて、和紙の成分の分析からも16世紀後半から17世紀前半のものと分かり、明記されたこの年に描かれた可能性が高いという。専門家は、キリスト教が日本に伝わって間もない、最も初期の信仰の様子を知る重要な発見としている。
この宗教画はキリシタンをめぐる歴史的な資料を収集している神奈川県大磯町の澤田美喜記念館の収蔵品の中から見つかり、横浜市歴史博物館が専門家などと鑑定した。澤田美喜さんは岩崎弥太郎の孫。