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全国に「歴食」開発の動き 町おこしの起爆剤にも

全国に「歴食」開発の動き 町おこしの起爆剤にも

全国でいま、様々な時代の人々が食べていた食事を、史料や記録に沿って、味付けも含めほぼ忠実に再現した「歴食」が全国各地に生まれている。町おこしの起爆剤にと考える自治体も増え、2月26日には島根県益田市で第2回サミットが開かれるという。
歴食の基本コンセプトは、「歴史的なストーリーを有した、価値ある食」だが、歴史に触発された食も含む。そして現在、東北から九州までの地域に縄文時代から江戸・幕末までをテーマにした12の「認定歴食」がある。
草分けともいえるのが奈良パークホテル(奈良市)の「宮廷料理・天平の宴」。平城京の出土品をもとに、1984年に再現したフルコース(税別1万1500円)で、素材を生かした肉や魚の干物、乳製品の蘇(そ)、油で揚げた唐菓子などだ。
徳川14代将軍・家茂に嫁した皇女和宮にちなんだ和宮御膳、同時代の新選組御膳は、中山道の赤坂宿があった岐阜県大垣市の「和洋会席かなぶ」が再現した。赤坂宿に残る本陣宿帳に残る記載などをもとに、江戸時代の料理本も参考に、当時の味付けを復元したという。
山口市には1500年に室町幕府の10代将軍・足利義稙(よしたね)が、同地を訪れた時の供応記録に残る御膳が生まれた。同地の守護大名・大内氏にちなんだ「平成大内御膳」は古文書通りに復元された32膳の将軍供応御膳を16品、10品など3コース(税別3000~1万5000円)に仕立てたもの。市内の宿泊施設などで食べることができる。

西陣織で再現した若冲の作品展、けいはんなプラザ

西陣織で再現した若冲の作品展、けいはんなプラザ

江戸時代の絵師、伊藤若冲(1716~1800年)の生誕300年を記念して、代表作を西陣織の掛け軸や額に仕立てた作品の展示会が2月17~20日まで、京都府精華町光台のけいはんなプラザ2階ギャラリーで開かれた。
今回、西陣織で再現されたのは代表作「動植綵絵(どうしょくさいえ)」はじめ、「梅花群鶴図(ばいかぐんかくず)」「諸魚図(しょぎょず)」など23点。帯幅に合わせ掛け軸は実物の3分の1、額は4分の1ほどの大きさで表現している。
金や銀など12色の経糸(たていと)2700本、緯糸(よこいと)2万本を使い、西陣織職人が伝統技法を駆使して若冲の色鮮やかな作品世界を再現している。
西陣美術織工房(京都市上京区)が企画した。

福呼ぶ「宝木」奪い合う 岡山・西大寺で奇祭はだか祭

福呼ぶ「宝木」奪い合う 岡山・西大寺で奇祭はだか祭

岡山市東区の西大寺観音院で2月18日夜、真っ白のまわし姿の男たちが福を呼ぶという木の棒「宝木(しんぎ)」を奪い合う「西大寺会陽(さいだいじえよう)」(通称はだか祭)があった。この奇祭は室町時代に始まったとされ、今年で508回目。
午後10時ごろに境内の明かりが消され、住職が高さ約4㍍の本堂の御福窓(ごふくまど)から2本の宝木(長さ約20㌢)を投げ込むと、冷水で身を清めた約1万人の男たちが激しい争奪戦を繰り広げる。厳しい寒さの中にもかかわらず、体と体のぶつかり合いで湯気が立ち上るほど。
そんな争奪戦を経て宝木を手に境内を出た男性が今年の「福男」になった。

「東アジア文化都市2017京都」合同イベント開幕

「東アジア文化都市2017京都」合同イベント開幕

日本、中国、韓国の3都市で交流を行い、1年を通じて文化芸術イベントを開催する「東アジア文化都市2017京都」の開幕式典が2月18日、京都・ロームシアター京都(京都市左京区)で開かれた。
会場には、今回(2017年)の開催都市に選ばれている京都市や長沙市(中国)、大邱(テグ)広域市(韓国)の関係者はじめ、一般の来場者を含め約2000人が詰め掛けた。
門川大作・京都市長の開幕式典のあいさつの後、日中韓文化交流公演や湖南省の少数民族トン族の民族舞踊、大邱広域市のミュージカルガラやオペラガラの上演、そしてメンバー全員が京都出身のロックバンド「くるり」による開幕コンサートも開かれた。
今年は11月の閉幕まで、世界遺産・二条城を舞台にした現代アートの展覧会が、長沙市、大邱広域市との共同開催として実施される予定。2018年は金沢市が日本の開催地に内定している。
このイベントは、日中韓3カ国の文化大臣会合での合意に基づき2014年から開催されており、今回で4回目。東アジア域内の相互理解を促し、多様な文化の国際発信力を強化することが目的で、文化芸術による発展を目指す都市を3カ国からそれぞれ選定してイベントを催している。国内ではこれまで横浜、新潟、奈良の各市が文化都市に選ばれている。

「白虎隊」の講演録など山川健次郎の遺稿の新資料発見

「白虎隊」の講演録など山川健次郎の遺稿の新資料発見

会津藩出身で東京帝国大総長を務めた山川健次郎(1854~1931年)の死後に近親者らがまとめた遺稿の新資料がこのほど、古書店で発見された。戦前に刊行されたものなど種類の違う3点の遺稿資料がこれまで確認されており、今回が4点目になる。
これまでの遺稿資料では未確認の記事や講演録が5編収録されていた。このうち「白虎隊」について、1928(將和3)年、兵庫県の赤穂中(現・赤穂高校)で行った講演録が収録されていた。遺稿に白虎隊に関する講演録が収録されるのは、今回の新資料が唯一という。
このほか、「山川博士遺稿」と題が付けられた上・下巻の2冊に合わせて約500㌻の資料が見つかったが、内容は講演録や新聞への寄稿などで多くがすでに確認されている遺稿資料3点と重複していた。
山川は晩年、戊辰戦争を」会津藩側の立場からみた「会津戊辰戦史」(山川の死後の1933年出版)の編纂を進めていた。

法隆寺「釈迦三尊像」3Dプリンターで複製 質感再現

法隆寺「釈迦三尊像」3Dプリンターで複製 質感再現

東京芸術大と富山県、高岡市、南砺市などでつくる協議会は、飛鳥仏の代表として知られる奈良・斑鳩町の法隆寺の「釈迦三尊像」(国宝、7世紀)を3Dプリンターや伝統技術で複製し2月16日、報道陣に公開した。
この複製は3月10~20日、高岡市のウイング・ウイング高岡で、再現された同寺金堂壁画とともに一般公開される。
東京芸術大が3次元計測した高精細なデータを基に3Dプリンターで樹脂製の原型を制作。それを元に銅器製造で知られる高岡市の伝統工芸高岡銅器振興協同組合が金銅の像を鋳造、井波彫刻協同組合が木製の台座を手掛け、東京芸術大のスタッフが仕上げと着色を行った。その結果、本物と同じ材料を使い、本物そっくりの質感と優美な微笑をたたえた釈迦三尊像を再現した。

古墳時代の腰掛け?ほぼ完全な形で出土 奈良・新堂遺跡

古墳時代の腰掛け?ほぼ完全な形で出土 奈良・新堂遺跡

奈良県橿原市教育委員会は2月15日、同市の新堂遺跡で古墳時代中期(5世紀ごろ)の腰掛けとみられる木製品がほぼ完全な形で出土したと発表した。
腰掛けは針葉樹のコウヤマキの一木造りで、高さ約12㌢、幅約35㌢。座面の縁に丸みがあり、2本の脚も緩やかな曲線を描くなど精巧なつくりとなっている。
専門家によると、古墳時代の腰掛けとみられる出土例は全国に数十例あるが、これほど完全な形で出土するのは異例という。

陰陽師・安倍晴明の子孫の墓崩壊のピンチ 京都・梅林寺

陰陽師・安倍晴明の子孫の墓崩壊のピンチ 京都・梅林寺

平安時代の陰陽師(おんみょうじ)・安倍晴明の直系子孫、土御門家(つちみかどけ)の菩提寺、梅林寺(京都市下京区)で、一族の墓が長年の劣化で崩壊しそうな状態になっている。半世紀近く子孫の消息が不明になっているためで、寺側は対応に苦慮しつつも、平安の御世から1000年以上にわたって天文や暦法を司った名門一族の供養を続けている。
土御門家は、晴明のころからは大きく時代は下っても江戸時代、京都の梅小路周辺に邸宅や私塾を構え、暦の作成や陰陽師の統括、天皇や公家の祭祀(さいし)や占いを行った。
太陰太陽暦から太陽暦に変更された明治以降は、その本拠は江戸(東京)に移ったが梅林寺の墓所には18世紀から大正期に建てられた一族の墓20基が残っている。

「田植歌」112年ぶりに復活 天理・大和神社

「田植歌」112年ぶりに復活 天理・大和神社

奈良県天理市の大和(おおやまと)神社で2月10日営まれた「御田植祭」で明治時代に絶えていた「田植歌」が112年ぶりに復活した。
神社総代や雅楽団体「青丹雅楽会」のメンバーらによる歌と竜笛が流れ、厳かな雰囲気に包まれる中、五穀豊穣を願って、昔ながらの鋤き入れから田植えまでを演じた。
氏子らが1年半前から古文書を調べ、懸命に稽古を重ねるなど準備を進めてきたもので、祭典を本来の姿に戻し、後世につないでいきたい-と話していた。

道鏡ゆかりの由義寺の存在裏付ける塔の基壇見つかる

道鏡ゆかりの由義寺の存在裏付ける塔の基壇見つかる

大阪府八尾市文化財調査研究会は2月9日、奈良時代に女帝・称徳天皇(在位764~770年)と、その寵愛を受けて「法王」の座に就いた僧・道鏡(?~772年)が建立した由義(ゆげ)寺があったととみられていた大阪府八尾市の東弓削(ひがしゆげ)遺跡で、巨大な塔と思われる建物の基壇(土台)が見つかったと発表した。
同市教委や調査研究会は、文献でしか確認されてこなかった由義寺の存在を裏付ける貴重な史跡とし、保存も検討するという。
基壇は約20㍍四方で、奈良時代後半の地層から見つかった。一辺20㍍の基壇から類推すると、同寺には高さ60㍍級の七重塔が建っていた可能性があるという。付近からは塔頂部の装飾品「相輪(そうりん)」の破片とみられる銅製品も見つかった。

「献身の手本」福者・高山右近を称賛 ローマ法王

「献身の手本」福者・高山右近を称賛 ローマ法王

ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は2月8日、バチカンでの信者との交流行事で、カトリックで「聖人」に次ぐ崇敬の対象の「福者」に認定された戦国キリシタン大名の高山右近について、「信仰の強さと慈善への献身の立派な手本だ」と称賛した。
豊臣秀吉、そして徳川政権下、為政者に強く改宗を促されても、「屈服するより、世俗の名誉や富を捨て、屈辱と国外追放を受け入れた」として、法王は右近が信仰を保ち続けたことを称えた。

殉教の高山右近「福者」に 大阪の列福式に参列者1万人

殉教の高山右近「福者」に 大阪の列福式に参列者1万人

戦国時代の”殉教”のキリシタン大名、高山右近がカトリックの「福者(ふくしゃ)」に認められたことを宣言する列福(れっぷく)式が2月7日、大阪城ホール(大阪市)で開かれた。
バチカン(ローマ法王庁)からローマ法王代理として派遣された枢機卿が進行役の主司式を務め、日本各地から信者ら約1万人が参列した。式では法王代理のアンジェロ・アマート枢機卿が法王の書簡を読み上げ、イタリア語で「福者の列に加えます」と告げた。カトリックは今後、右近が亡くなった2月3日を記念日として毎年祝うという。福者はカトリックで聖人に次ぐ崇敬の対象で、右近は2016年1月、法王から承認された。
右近は戦国時代、今の大阪府豊能町で生まれ、12歳で洗礼を受けた。豊臣秀吉のバテレン追放令で、多くのキリシタン大名らが身分、財産が没収され、罪人とされるのを恐れ、相次いで改宗した中でも信仰を捨てず、1614年、江戸幕府の禁教令で国外追放となり、翌年フィリピン・マニラで亡くなった。

仏教界は「本能寺の変」に喝采 信長を痛烈批判

仏教界は「本能寺の変」に喝采 信長を痛烈批判

愛知県豊橋市の金西寺(曹洞宗)に伝わる古文書、寺を開いた月岑牛雪大和尚が江戸時代初期の1619年以降に書いたとされる開山記「当寺御開山御真筆」によると、織田信長を批判的に評した詩文が引用され、当時の仏教界の信長に対する悪感情が読み取れ、信長が明智光秀に討たれた本能寺の変に喝采を送ったことがうかがわれる。これは、豊橋創造大の島田大助教授(日本近世文学)や金西寺の高崎俊幸住職が発表したもの。
本能寺の変の翌月の1582年7月につくられた開山記の詩文には「信長は京を鎮護して二十余国を領したが、公家を蔑(ないがしろ)にして万民を悩まし、苛政や暴虐は数えきれない」「(本能寺の変で)死亡して人々は拍手し、天下が定まった」といった意味の記述があった。
さらに信長について「黒ねずみで平清盛の再来」とする一方、光秀を「勇士」と称え表現した記載も見える。また、仏教界にとって悲惨な事件、信長の暴挙ともいうべき「比叡山の焼き討ち」にも言及していた。

「さっぽろ雪まつり」に興福寺中金堂の大雪像登場

「さっぽろ雪まつり」に興福寺中金堂の大雪像登場

札幌市の大通公園に2月5日、奈良市で300年ぶりに再建される興福寺中金堂の大雪像が完成した。6日から始まる「さっぽろ雪まつり」の目玉の一つとして制作されたもの。天平時代の名刹が本物より一足先に、札幌の地に蘇った。
この大雪像、陸上自衛隊員延べ約3800人が約30日間かけて精巧に再現したという。5日夜にはこの大雪像をバックに、プロジェクションマッピングで興福寺の国宝、阿修羅像が現われ、白銀の世界に幻想的な雰囲気を醸し出していた。
興福寺の中金堂は、元明天皇による平城京への遷都の際、後の藤原氏栄華の礎をつくった藤原不比等によって建てられた。平安時代以降、焼失と再建が繰り返され、江戸時代中期の1717年の7回目の焼失後は再建されていない。今回は2017年の創建1300年を前に再建計画がスタートし、2018年に落慶予定だ。

人類の遠い祖先か 中国で古代生物の化石発見

人類の遠い祖先か 中国で古代生物の化石発見

英ケンブリッジ大学、ドイツのカッセル大学、中国の西北大学などの研究者による合同チームによると、中国北西部の陝西(せんせい)省で約5億4000万年前に生息していたと推定される古代生物の化石が発見された。
体のサイズに比べて異様に大きな口を持つこの生物は「人類を含む多種多様な生物の共通の祖先である可能性がある」という。英学術誌「ネイチャー」に論文が掲載された。
研究者らは、この生物が後口動物上門に分類される新種だと判断し、サッコリタス・コロナリウス(Saccorhytus coronarious)と命名した。属名のサッコリタスは「袋状の体」、種名のコロナリウスは「王冠状の口」に由来するという。
この生物が約5億4000万年前の古生代カンブリア紀に生息していたと考えられ、後口動物の化石としては最古のものとされる。

潜伏キリシタンなど世界遺産登録へ正式推薦書を提出

潜伏キリシタンなど世界遺産登録へ正式推薦書を提出

2018年のユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産登録に向け、日本政府は文化遺産の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本両県)と、自然遺産の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島、沖縄両県)の正式な推薦書をユネスコに提出した。
「潜伏キリシタン」は長崎市の「大浦天主堂」はじめ、長崎、熊本両県の12資産で構成。自然遺産はアマミノクロウサギやイリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナなど貴重な生態系が含まれる。

地球の酸素イオンが月に到達 探査機「かぐや」が観測

地球の酸素イオンが月に到達 探査機「かぐや」が観測

大阪大学などの研究チームは、月周回衛星「かぐや」の観測データを解析した結果、地球から流失した酸素イオンが月に到達していたと発表した。1月31日付の英科学誌「ネイチャー・アストロノミー」電子版に掲載された。
地球の表面から流出した酸素イオンが、太陽から吹き出す粒子の流れ(太陽風)の影響を受けて38万㌔離れた月に運ばれ、月の土に入り込んでいる可能性もあるとみている。
地球では24億年前から酸素が増えだしたといわれており、月はこのころから地球由来の酸素イオンを浴び続けている可能性がある。大阪大学の寺田健太郎教授は「月の土には太古の地球の大気の痕跡の一部が保存されている可能性もある」と話している。

日本の人口1億人割れは2053年前後 厚労省推計

日本の人口1億人割れは2053年前後 厚労省推計

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が5年に1度行っている50年後の推計人口原案によると、人口が1億人を割り込むのは2053年前後と、前回の推計と比べて5年ほど遅くなり、人口減少の速度は鈍るとみている。
2065年までの推計人口原案によると、近年30~40代の人たちの結婚や出産に関する動向に上向く兆しがみられるとして、1人の女性が一生のうちに出産する人数の指標となる「合計特殊出生率」は、50年後は1.44程度に改善すると予測している。ちなみに前回5年前の推計の数値は1.35だった。
これに伴い、2015年に1億2709万人だった人口は、2053年前後に1億人を割り込み、2065年には4000万人近く少ない8800万人余りになると予測している。

京都・石清水八幡宮で節分伝統の「鬼やらい神事」

京都・石清水八幡宮で節分伝統の「鬼やらい神事」

京都府八幡市の石清水(いわしみず)八幡宮の節分行事「鬼やらい神事」が1月29日、本殿および境内で行われた。
鬼を追い払う「鬼やらい人」が本殿前で「鬼やろう!」の掛け声。これとともに、邪気を払うとされる桃の枝を四方と今年の恵方(北北西)に打ち下ろした。
続いて邪気を象徴するような、赤鬼と青鬼の衣装に全身を包んだ4人が境内に登場。本殿に向かうが、年男や年女らに豆を投げつけられ、本殿前に設(しつら)えられた仮設の木製のスロープを、昇り切れず何度も転げ落ちて退散していった。

古都・奈良の夜空焦がす 若草山で冬の風物詩・山焼き

古都・奈良の夜空焦がす 若草山で冬の風物詩・山焼き

古都・奈良で1月28日、冬の風物詩、若草山(342㍍)の山焼きがあり、寒中の夜空にオレンジ色の炎が浮かび上がった。
スタートは約600発もの盛大な花火だった。これを合図に、消防団員らが33㌶の山肌の草地に火をつけるとみるみる広がり、さながら炎の海となっていく。
ふもとで見守る大勢の観光客らは、目の前で繰り広げられるその炎の迫力に息をのみ、見入っていた。

弥生時代中期の土偶出土 目鼻、耳の穴も原形とどめる

弥生時代中期の土偶出土 目鼻、耳の穴も原形とどめる

大阪府文化財センターによると、大阪府茨木市の郡(こおり)・倍賀(へか)遺跡で弥生時代中期とみられる人形土製品(ひとがたどせいひん)1点が見つかった。人をかたどった土偶の人形土製品は、弥生中期のものとしては府内では初めてで、ほぼ原形をとどめて出土したのも珍しいという。
今回の発掘調査で、140基を超す墓跡「方形周溝墓」とともに見つかったもので、高さ5.9㌢、胴幅3㌢で、球形の頭部と底が平らな円筒形の胴体部でできている。目鼻だけでなく、耳の穴まである精巧なものという。このほか、碧玉(へきぎょく)製とみられる装身具の管玉(くだだま)3点も見つかっている。

大阪・茨木市で弥生時代の大規模墓跡140基発見

大阪・茨木市で弥生時代の大規模墓跡140基発見

大阪府文化財センターは1月26日、大阪府茨木市の郡(こおり)遺跡・倍賀(へか)遺跡で発掘調査の結果、集落の部分とは別の部分に大小140もの墓の跡が集まっているのが見つかったと発表した。
弥生時代中期のものとみられ、大きなものは縦12㍍、横18㍍、小さなものは約3㍍四方で、様々な大きさの墓跡が混在していた。これらは「方形周溝墓」という形で、周囲が溝で囲まれた墓。弥生時代の状態の良い墓の跡がこれほど多く見つかるのは珍しい。
同センターは「大阪北部の拠点だったとみられる大規模な村」と推定。大阪大学の福永伸哉教授は「墓数が多く、国内有数の規模だ。墓の規模にばらつきがあり、少し階層的な関係が芽生え始めていたことが分かり、集団の内部構造を知る重要な手掛かりになる」と話している。
今回2016年6月以降、約1万6500平方㍍を発掘調査したところ、ほぼ全域で140基以上の墓跡が確認された。
また、これらの墓跡群のすぐ東で22棟分の竪穴建物跡や装身具の管玉、人の歯、人の顔を表現した約6㌢の人形土製品なども見つかった。

淡路・舟木遺跡で大型鉄器工房跡 国内最大級か

淡路・舟木遺跡で大型鉄器工房跡 国内最大級か

兵庫県淡路市教育委員会は1月25日、弥生時代後期の舟木遺跡(淡路市舟木)から大型の鉄器工房跡を確認したと発表した。遺跡中心部から鉄製品57点と工房を含む竪穴建物跡4棟が見つかった。
同市教委は、同遺跡全体の鉄器工房の規模が、南西約6㌔にある国内最大級の鉄器生産集落で国史跡の五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡(淡路市黒谷)をしのぐ可能性があるとしている。
舟木遺跡は約40㌶の大規模な山間地集落遺跡。これまでに約5700平方㍍を調査し、弥生時代後期の竪穴建物跡10棟や土器、中国鏡の破片が出土しているが、鉄器工房は確認されていなかった。
今回出土した鉄製品の明確な使途は分かっていないが、鍛冶に関連したものと、工具とみられる針状のものなどがある。鉄の加工に使った台石や砥石など石製工具42点や祭事用と考えられる弥生時代終末期(3世紀初頭)の土器も出土した。
同市教委は、建物跡は鉄器生産工房と、鉄工具を使用した何らかの生産工房で、大規模な工房群の存在も想定できるとみている。

川端康成邸で文豪らの直筆の書簡や絵画、大量に発見

川端康成邸で文豪らの直筆の書簡や絵画、大量に発見

神奈川県鎌倉市のノーベル賞作家の川端康成(1899~1972年)の自宅で、夏目漱石や北原白秋、林芙美子、横光利一、田山花袋ら著名作家の直筆の書や書簡などが大量に見つかった。
書や書簡、絵画など70点以上に上った。このうち書は52点。漱石の五言絶句、田山花袋の七絶詩、北原白秋の自作歌など、川端より前世代の文豪ほか、生前交流のあった同世代の作家らの書もあった。
川端邸の遺品を整理していた川端康成記念会が昨年末、発見した。

「一代限り」の退位を推奨 有識者会議が論点整理

「一代限り」の退位を推奨 有識者会議が論点整理

天皇陛下の退位をめぐる政府の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長:今井敬・経団連名誉会長)は1月23日、今の天皇に限った退位を推奨する論点整理を取りまとめ、公表した。退位を実現をするための具体的な法整備のあり方を明示せず、有識者らの意見を並べて方向性を示した。事実上、政府が検討する「一代限り」の特例法を後押しする内容となった。

一茶が題材の「遥かなる信濃」藤沢周平の小説草稿発見

一茶が題材の「遥かなる信濃」藤沢周平の小説草稿発見

1月26日に没後20周年を迎える藤沢周平(1927~97年)の未発表小説の草稿が見つかった。江戸後期の俳人、小林一茶を題材に、遅咲きの藤沢が作家デビューした1971年ごろに書かれたとみられる。
草稿は「遥かなる信濃」と題され、原稿用紙で実質74枚。内容は40代後半の一茶が世話になった俳人、夏目成美の別邸で起きた盗難事件で犯人扱いされたことや、その後の日々を綴っている。
元担当編集者の鈴木文彦さんが1月21日発売された月刊誌「オール読物」2月号(文芸春秋)で概要を発表している。草稿の全文は紹介されていない。
藤沢は1978年に評伝小説「一茶」を刊行しており、一茶に対する藤沢の思い入れの深さを感じさせる。

太古の地球寒冷化は磁場の弱まりが影響 立命・神戸大G

太古の地球寒冷化は磁場の弱まりが影響 立命・神戸大G

立命館大学や神戸大学などの研究グループはこのほど、78万年前と107万年前に地球の寒冷化が進んだのは、地球の磁場が弱まり、降り注ぐ宇宙線が増えた影響だとする研究結果を英科学誌サイエンティフィックリポーツに発表した。
グループは、大阪湾の海底を掘削して採取された試料を分析した。その結果、現在の2倍の宇宙線が降り注いだとされる78万年前と107年前の堆積物い含まれる花粉の化石の種類から当時の植生を推定「。植生が似た場所の現在の気象データから当時の平均気温や降水量を推定した。

キトラ古墳壁画「玄武」1/22から公開 奈良・明日香村

キトラ古墳壁画「玄武」1/22から公開 奈良・明日香村

奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末~8世紀初め)の極彩色壁画「玄武(げんぶ)」が1月22日から2月19日まで、村内の「キトラ古墳壁画体験館 四神(しじん)の館」で一般公開される。
2016年9月末いオープンした四神の館での公開は「天文図」「朱雀(すざく)」「白虎(びゃっこ)」に続いて2回目。今回は玄武のほか、獣頭人身の十二支のうち「子(ね)」「丑(うし)」なども見ることができる。定員は各日約700人。無料。事前申し込みが必要。

世界文化・自然遺産登録に向け正式推薦書の提出決定

世界文化・自然遺産登録に向け正式推薦書の提出決定

政府は1月19日、2018年の世界遺産登録に向けた関係省庁の会議で、文化遺産と自然遺産の正式な推薦書を、閣議了解を経てユネスコ(国連教育科学文化機関)へ提出することを決めた。推薦書は2月1日までに提出する。
両遺産とも、ユネスコの諮問機関の助言で名称を改めた。文化遺産登録を目指すのは、以前は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」だったが、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本両県)、自然遺産は「奄美・琉球」だったが、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島、沖縄両県)に変更された。

「千葉時代」誕生に期待 地質年代名で日伊が攻防

「千葉時代」誕生に期待 地質年代名で日伊が攻防

地球の歴史を刻む地質年代に、初めて日本の名称が付くのか注目が集まっている。地球の磁気が逆転した数十万年前の年代名について、日本は千葉県に由来する「チバニアン」(千葉時代)を提唱しているが、命名を争うイタリアとの攻防が激化しているもの。
地球の誕生から現在までの約46億年を時代ごとに区切ったのが地質年代だ。地球の磁気や生物、気候などの変化を基に古生代、中生代、新生代などの大きな年代や、さらに細かい年代が決められている。
ただ、まだ名前がない年代もある。長期にわたり支配した恐竜が絶滅した後、哺乳類が繁栄した新生代のうち、約77万~12万6000年前の「第四紀中期更新世」がその一つ。この名称をめぐって日本とイタリアが激しく争っている。
日本は千葉県市原市の地層を基準地にチバニアンの名称を提唱。イタリアは南部2カ所の地層を提案し、いずれも地中海のイオニア海に由来する「イオニアン」の命名を目指す。
国際地質連合は5月末に申請を締め切り、作業部会で数カ月後に最有力地を決め2018年にも正式決定する。基準地の地層はその年代を示す国際標準の役割を持つ。このため①海で連続的に積もった安定した地層②当時の環境か詳しく分かる③地磁気の逆転が分かる-などの条件を満たすことが望ましい。
日本が当初イタリアより優勢だったのは、地磁気の逆転を示す明確なデータがあるからだ。これに対し、イタリアも地層に含まれる放射性元素の分析でその変化を捉え、巻き返している。この結果、現時点では勝敗の行方は五分五分という。チバニアンに決まれば、地球史の中での日本列島の重要性が再評価されることになるのだが…。

アイヌ木綿衣 世界最古級の可能性 ロシア所蔵品と酷似

アイヌ木綿衣 世界最古級の可能性 ロシア所蔵品と酷似

北海道釧路市立博物館所蔵のアイヌ民族の木綿衣(もめんい)が世界最古級の可能性が高まっている。現存する世界最古の木綿衣とされるロシア科学アカデミー・ピョートル大帝記念人類学民族学博物館(通称クンストカメラ)が所蔵する2点と見た目も縫製技法も酷似しており、研究者は同じ時期に北海道でつくられたものとみている。
この木綿衣は丈128㌢、両袖を広げた幅は136㌢。前部と背部に独特のアイヌ模様が施され、虻田地域(胆振西部、後志南部)で制作されたものとみられている。
国立民族学博物館の佐々木史郎教授が代表を務める研究チームによる調査が3月に終了後、早ければ5月にも一般公開される予定。

坂本龍馬 暗殺5日前の書状に「新国家」の文字

坂本龍馬 暗殺5日前の書状に「新国家」の文字

明治維新の関連資料からこのほど、幕末の志士、坂本龍馬が暗殺される5日前に書いたとみられる新政府の人事に関連する書状が新たに見つかった。
この書状に、これまで知られている龍馬の書状には見られない「新国家」という文字が記され、専門家は「(龍馬は)暗殺される直前まで『新国家』建設のため、邁進していたことが分かる貴重な発見」としている。
縦16㌢、横93㌢ほどの細長い和紙に毛筆で文字が記され、坂本龍馬の研究を行っている京都国立博物館の宮川禎一上席研究員らが鑑定して、筆跡や内容から龍馬の直筆で間違いないと判断した。
鑑定によると、書状は大政奉還の後、新政府の設立を急いでいた龍馬が京都で暗殺される5日前にあたる西暦1867年、慶応3年の11月10日に、越前・福井藩の重臣、中根雪江に宛てて書かれたものだという。
この中で龍馬は以前から親交があり、新政府の財政担当として適任だと考えていた福井藩士・三岡八郎(後の由利公正)が、京都に来て仕事ができるよう藩内の手続きを依頼するとともに、三岡が来るのが1日遅れれば、その分「新国家」の財政の成立が遅れてしまうと訴えている。
龍馬が「新国家」という言葉を使っているのが確認されたのはこれが初めて。龍馬が非業の死を遂げてから150年の今年、また一つ興味深い新たな事実が明らかになった。

村野藤吾設計「幻の工場」八幡製鉄所で発見、今も稼働

村野藤吾設計「幻の工場」八幡製鉄所で発見、今も稼働

日本を代表する建築家の一人、村野藤吾(1891~1984年)が戦時中に設計した日本製鉄(現・新日鉄住金)八幡製鉄所の工場が、北九州市戸畑区に現存し、稼働していることが分かった。刊行されている村野の年譜には設計したとの記録はあるが、実際に建てられたかはこれまで不明で「幻の工場」だった。
今回分かったのは、戸畑地区にあるロール加工工場。幅60㍍、奥行き150㍍の鉄骨造で、新日鉄住金の子会社の日鉄住金ロールズが所有している。1941年に建てられ、当時も今も鉄板を延ばす円柱のロールを製造している。

2019年元日に新天皇即位 新元号は半年前までに公表へ

2019年元日に新天皇即位、新元号は半年前までに公表へ

政府は2019年1月1日に皇太子さまが新天皇に即位し、同時に元号を改める検討に入った。新元号は改元の半年以上前に公表する方向だ。
平成30年(2018年)の区切りで天皇陛下の退位を実現するとともに、国民生活への影響を最小限に抑えるため、新元号は元日から始め、事前に公表することが望ましいと判断した。
政府は一代限りの退位を可能にする特例法案を1月20日召集の通常国会に提出する方針で、陛下の退位日は政令で定めることを法案に明記する。

大河ドラマ「おんな城主 直虎」初回視聴率16.9%

大河ドラマ「おんな城主 直虎」初回視聴率16.9%

ビデオリサーチは1月10日、8日から放送開始されたNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の初回の平均視聴率を発表した。関東地区で16.9%、関西地区で17.3%だった。
今年の大河ドラマは、戦国時代に後継ぎがいなかったことから、遠江・井伊谷(いいのや)地区を領土とした小国を、男の名で家督を継いだ異色の女性(幼少期・おとわ)、井伊直虎の生涯を描く。後の徳川政権下で有力大名の一角を占めた井伊家の礎を築き上げた人物とされる。

薬師寺東塔「心柱立柱式」基壇も補強 20年完成目指す

薬師寺東塔「心柱立柱式」基壇も補強 20年完成目指す

奈良・薬師寺は1月9日、約1世紀ぶりの解体修理が進む国宝・東塔(三重塔・高さ34㍍)の再組み立てを前に、塔の中心を貫く心柱(しんばしら)を立て直し、工事の安全を祈る「心柱立柱式」を営んだ。2020年6月の完成を目指す。
これまで基壇(土台)から外して修理してきた心柱(約4.3㌧)をクレーンで吊り、基壇の中心に戻した。根元を木づちで打ち、無事の完成を願った。
土を何層にも突き固めた「版築(はんちく)工法」が施された創建当初の基壇が、強度を失っていたことが判明したことから、巨大な杭を打ち込み地盤を固め、鉄筋鉄骨コンクリートの新たな基壇を設けるなど最先端の補強工事を行いながら、再組み立てを進める。
東塔は2011年から解体され、部材の調査や補強が行われてきた。また、奈良文化財研究所が年輪年代測定を実施し、奈良時代前半に新築されたことが確定した。

南方熊楠生誕150年 シンポ、展示会など多彩な催し

南方熊楠生誕150年 シンポ、展示会など多彩な催し

世界的な博物学者、南方熊楠(1867~1941年)の生誕150周年となる今年、和歌山県田辺市や地元顕彰会などでつくる「南方熊楠翁生誕150周年記念事業実行委員会」は、シンポジウムや展示会など、年間を通じた様々なイベントを計画している。熊楠の業績と人生に光を当てて遺徳をしのぶとともに、様々な分野の人々との交流を深め、地域経済の活性化につなげたい考え。
記念事業をPRするプレイベントとして、3月4日に明治大学駿河台キャンパスでシンポジウム「宇宙大の熊楠」が開かれる。記念事業としては7月1、2の両日、紀南文化会館で熊楠も親しんだ短歌・俳句の大会を開く。8月19~22日には田辺市文化交流センター「たなべる」で熊楠が専門とした変形菌(粘菌)の国際学会「第9回国際変形菌類分類学・生態学会議」が開催される。
10月22日には同文化会館で記念式典とフォーラムを開催。12月19日からは国立科学博物館で「現在の科学から見た南方熊楠」をテーマにした展示会を開く。

京都・妙傳寺の仏像 実は7世紀の貴重な仏像と判明

京都・妙傳寺の仏像 実は7世紀の貴重な仏像と判明

大阪大学などの最新の成分分析調査などによると、京都・妙傳寺(京都市左京区)の、これまで江戸時代のものと思われていた青銅製の「半跏思惟像(はんかしいぞう)」(高さ約50㌢)が、実は仏教が伝来して間もないころに朝鮮半島でつくられた、極めて貴重な仏像の可能性が高いことが分かった。
大阪大学や東京国立博物館の研究者による鑑定の結果、額に刻まれた模様や装飾品の龍のデザインなどが6世紀から7世紀ごろに朝鮮半島でつくられた仏像や出土品の特徴と一致した。さらに「蛍光X線分析」による、仏像に使われている金属の成分分析で、銅がおよそ90%、スズがおよそ10%で、鉛はほとんど含まれていなかった。こうした割合の仏像は日本や中国にはなく、7世紀ごろ朝鮮半島でつくられた仏像である可能性が極めて高いことが分かったという。
蛍光X線分析は、金属にX線を当て、含まれる成分によって跳ね返ってくるX線の波長が異なることを利用した手法。今回の仏像の由来を解き明かす決め手の一つとなった。

国宝の銅造仏頭80年ぶり里帰り 奈良・興福寺

国宝の銅造仏頭80年ぶり里帰り 奈良・興福寺

奈良市の興福寺で1月7日、国宝「銅造仏頭(どうぞうぶっとう)」が80年ぶりに同寺東金堂(とうこんどう)に戻され、還座開眼法要が営まれた。収蔵・展示していた国宝館が今月から耐震改修工事で1年間休館するためで、12月まで東金堂で拝観できる。
興福寺によると、仏頭は高さ98.3㌢の銅製で、685年の造立。白鳳仏の代表作とされる。元は山田寺(奈良県桜井市)の本尊像で、鎌倉時代初期の1187年に東金堂本尊として移されたが、室町時代の火災で焼失、頭部だけが残った。その後再建された東金堂の新しい本尊台座に納められ、約500年後の1937年に発見された。

ネアンデルタール人が食人 ベルギーの洞窟で証拠発見

ネアンデルタール人が食人 ベルギーの洞窟で証拠発見

AFP時事によると、ネアンデルタール人が馬やトナカイを食べるだけでなく、共食いもしていたことを示す証拠が、ベルギーのゴイエ洞窟群で発見された。
発見した研究チームによると、約4万年前に生きていた成人または若者4人と子供1人、新生児1人の人骨には内部の骨髄を取り出すために切断、粉砕された明確な痕跡があるという。ベルギー人考古学者のクリスティアン・カセイヤス氏は、ここで食人が行われていたことは、反論の余地がない-としている。
ゴイエ洞窟の人骨は、ネアンデルタール人が現生人類ホモ・サピエンスに取って代わられ、地球上で絶滅を迎えつつあったころの年代を示している。また、ネアンデルタールはホモ・サピエンスとも交配していた。
ネアンデルタール人による食人の事例はこれまで、スペインとフランスに存在した南欧のネアンデルタール人個体群でしか見つかっていなかった。

大型恐竜は卵のふ化に半年 遅いのが絶滅の一因か

大型恐竜は卵のふ化に半年 遅いのが絶滅の一因か

米国フロリダ州立大など研究チームの化石の詳細調査によると、恐竜の卵はふ化するまでに、大型種で半年、小型種でも3カ月はかかったとみられることが分かった。このふ化の期間の長さが、恐竜絶滅の一因になった可能性があるという。米科学アカデミー紀要電子版に発表された。
恐竜は爬虫類の仲間だが、小型恐竜から進化した鳥類の卵のふ化まで11~85日程度と早いため、これまで恐竜も早いとの見方があった。卵のふ化に時間がかかると、肉食獣に食べられたり、洪水や嵐に遭ったりする危険性が高まる。恐竜が約6500万年前の白亜紀末に絶滅したのは、ふ化が遅く、巨大隕石の衝突などで環境が急変する中、激しい生存競争に負けたことが理由の一つかも知れないという。
調査対象はカナダで見つかった大型草食恐竜パクロサウルスと、モンゴルで発見された小型草食恐竜プロトケラトプスの、卵からかえる直前の子の化石。卵の重さはそれぞれ約4㌔、194㌘だったとみられる。
研究チームは歯の成長に伴って残る年輪のような細かい線をX線コンピューター断層撮影(CT)などで分析し、ふ化までの期間を推定した。

世界遺産・下鴨神社で新春恒例の「蹴鞠初め」

世界遺産・下鴨神社で新春恒例「蹴鞠初め」

世界遺産に登録されている京都市の下鴨神社(左京区)の境内で1月4日、新春恒例の「蹴鞠初(けまりはじ)め」が行われた。
烏帽子(えぼし)、袴(はかま)を身に着けた「蹴鞠(しゅうきく)保存会」の会員が、鹿の革でつくった直径約20㌢、重さ約150㌘の白い鞠を、地面につかないように、さながらサッカーのリフティングのように蹴り合う。
勝敗はなく、キックの精度を競い合う。相手が受けやすいように蹴るのが上手とされる。参加メンバーらは「ヤア」「オウ」などと声を掛け合いながら、妙技を披露していた。

敗戦後初の帝国議会の天皇勅語の起草過程明らかに

敗戦後初の帝国議会の天皇勅語の起草過程明らかに

国立公文書館に保存されている資料から、1945年9月4日、戦後初の帝国議会開院式で昭和天皇が述べた勅語の起草過程が明らかになった。この資料は「第八十八回帝国議会開院式勅語案」で、第1案から第4案まである。
当時の東久邇宮稔彦(ひがしくにのみやなるひこ)首相らが検討を重ねた結果、第4案に初めて「平和国家ヲ確立」という表現が盛り込まれ、新たな国づくりの目標が掲げられることになった。これは、1945年8月15日の「終戦詔書」(玉音放送)に続く天皇による直接のメッセージで、「平和国家」という言葉はその後、日本社会に広く浸透していった。

タイタニック号沈没に新説 原因は出航前火災の補修不備

タイタニック号沈没に新説 原因は出航前火災の補修不備

英紙インディペンデント(電子版)によると、1912年に大西洋で1500人が死亡した豪華客船タイタニック号の沈没事故の原因について、英国の研究者が本来の原因は氷山衝突ではなく、火災だった-との新説を唱え、話題になっている。
この説を主張しているのは、30年以上にわたり沈没の謎を追ってきたセナン・モロニー氏。タイタニック号が4月の出航前、ボイラー室で火災事故を起こした。このことは指摘されていたが、新たな資料から右舷が約9㍍以上にわたって黒く焦げていた点を突き止めた。もろくなった損傷部分に、氷山との衝突で穴が開き、大惨事につながった-と説明している。
すなわち火災事故後、火災の影響を軽視し、(万全の修理が行われないまま)出航させた過失が重なったことが、沈没を引き起こしたと結論付けている。

ダチョウの祖先は飛べた DNA解析で新説 北半球に生息

ダチョウの祖先は飛べた DNA解析で新説 北半球に生息

日本、中国、デンマークなどの国際研究チームは、ダチョウなど飛べない鳥のグループ「走鳥類」の祖先は、北半球に棲む飛べる鳥だった-という新説を発表した。マダガスカルで絶滅した巨大な鳥の骨のDNA解析から走鳥類の起源は南半球にあったという従来の通説を覆した。米科学誌カレント・バイオロジーに論文が掲載された。
同チームは、マダガスカルで数百年前に絶滅した体高3㍍以上、体重400㌔㌘以上あった走鳥類「エピオルニス」の骨から、細胞核とミトコンドリアのDNAの採取・解析に成功。走鳥類に近い仲間も含めて系統関係を分析すると、走鳥類の祖先は7000万年前ごろは体重が2~5㌔㌘程度と、小型だったという推定結果が出た。北半球で化石が見つかっている飛ぶ鳥の特徴を持つ鳥類「リトルニス」に近いことも分かった。
同チームではもともとはリトルニスのように北半球にいた祖先が南半球に渡り、どこかの時点で飛ぶ能力を失い、哺乳類との競合が少なかったことで、多くの大型の種に進化したのではないか-とみている。

北斎の肉筆画「鶏竹図」海外で新発見 40代の作品

北斎の肉筆画「鶏竹図」海外で新発見 40代の作品

江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎(1760~1849年)の肉筆画「鶏竹図(けいちくず)」が見つかった。東京の美術商が11月末、デンマークの競売で落札した。
鹿鳴館を設計した英国人建築家ジョサイア・コンドル(1852~1920年)の旧蔵品とされ、日本では存在がほとんど知られていなかった。
鶏竹図は、竹を背景に石燈籠の上に止まる2羽の鶏を、縦110㌢、横51㌢の絹本に写実的に描いた掛け軸。作品の左下に「歩月老人 北斎」の落款と印があり、儒学者・大田錦城の讃(文章)も添えられている。専門家らは40代ごろの作品とみている。

春日大社の黒漆太刀は平安~鎌倉期の国宝・重文級の名刀

春日大社の黒漆太刀は平安~鎌倉期の国宝・重文級の名刀

春日大社(奈良市)は、約80年前に宝庫の天井裏から見つかった黒漆太刀(こくしつのたち)3本を研いだところ、1本が鎌倉時代後期の刀工・延寿国吉(えんじゅくによし)作、2本が平安末~鎌倉初期ごろの「古備前」と分かったと発表した。専門家は3本とも国宝・重文級の名刀と評価している。
黒漆太刀は装飾のない黒漆塗りの鞘(さや)を持つもので、武士が日常的に使ったため、現存例が少ないという。1939年、宝庫の解体修理時に9本が見つかったが、錆(さ)び付いて詳細は不明だった。今回このうち3本を、20年に1度の大改修、式年造替(しきねんぞうたい)に合わせて、人間国宝の本阿弥光洲氏に研ぎを依頼し、判明した。
延寿国吉作の太刀は全長106.8㌢で、「国吉」という銘文の書体などから分かった。

『歴史くらぶ』2016年10大ニュース

この1年間『歴史くらぶ』をご覧いただきありがとうございます。
1年を振り返り、2016年にあった出来事を10大ニュースとしてまとめてみました。

<『歴史くらぶ』2016年10大ニュース>

①ル・コルビジュ設計の国立西洋美術館 世界遺産登録
②戦艦武蔵の最期を大胆検証 海中爆発起こし砕け散る
③全国33の山・鉾・屋台行事 ユネスコ無形文化遺産に
④大宰府守る7世紀の大規模土塁発見、筑紫野丘陵で
⑤平城京にペルシャ人役人が勤務の痕跡、木簡に名前
⑥都塚古墳築造に3万人動員か、奈良明日香村
⑦松尾芭蕉直筆の連句・画、書簡16点見つかる
⑧後期難波宮の「官衙」役所建物群など発見 大阪市
⑨歌麿の浮世絵 史上最高値8800万円で落札 パリ競売
➉被埋葬者は舒明天皇か蘇我蝦夷?奈良・小山田遺跡

小型恐竜の生態解明へ 成長すると歯が退化、嘴に変化

小型恐竜の生態解明へ 成長すると歯が退化、嘴に変化

中国科学院などの研究チームは、約1億6,000万年前のジュラ紀後期に生息していた小型恐竜リムサウルス(全長約2㍍)は、幼体時にあった歯が成長するとなくなり、嘴(くちばし)のように変わるとする研究成果をまとめた。米科学誌カレント・バイオロジーに掲載された。
研究チームは中国北西部で見つかったリムサウルスの19個体の化石を分析。幼体では42本の歯があったが、成長するとなくなることが確認できたという。幼体時は小さな虫や植物を食べる雑食で、成長すると草食に特化したらしい。
現在の両生類などで成長に伴い歯がなくなる例は知られているが、恐竜で確かめられたのは初めてという。鳥は恐竜から進化したとされ、今回の成果は鳥のくちばしの解明につながる可能性がある。

「明治の精神に学ぶ」明治150年記念施策まとめる

「明治の精神に学ぶ」明治150年記念施策まとめる

明治元年から満150年の2018年にあわせた記念施策を検討する政府の関係府省庁連絡会議は12月26日、関連施策の「基本的な考え方」をまとめた。「明治以降の歩みを次世代に遺す」「明治の精神に学び、更に飛躍する国へ」の2つの方針に沿って取り組む。2017年夏の18年度予算の概算要求までに各府省庁が具体策をまとめる。
「明治以降の歩みを次世代に遺す」では、議会制度や義務教育の導入、鉄道開業や郵便制度の施行など、近代化を表す当時の文書や写真などを集めて展示する。「明治の精神に学び、更に飛躍する国へ」では、能力本位の人材登用が進んだことに着目。全国各地で活躍した若者や女性、外国人の存在を掘り起こす。「機会の平等」「チャレンジ精神」「和魂洋才」などを知ることにつなげるのが狙い。建築物の公開などを通じ、当時の技術や文化に触れる機会も増やす。