参議 等
※源 等
浅茅生の小野のしの原しのぶれど
あまりてなどか人のこひしき
【歌の背景】「古今集」の読み人知らずの「浅茅生の小野の篠原しのぶとも人知るらめや言う人なしに」を本歌としたもの。こらえてもこらえ切れない恋心の切なさを歌っている。
【歌 意】茅がまばらに生えている小野のしの原の“しの”という名のように、恋の思いを心に忍びこらえているけれど、それもこらえ切れず、どうしてこんなにあなたが恋しく思われるのでしょう。
【作者のプロフィル】源等は、嵯峨天皇の皇子大納言弘の孫。中納言源希の次男。近江権少掾を皮切りに、参河守、丹波守、山城守などを歴任、左中弁、右大弁などを経て、天慶元年(938)参議となり、正四位下に叙された。天暦5年(951)72歳で没