技研製作所(本社:高知市)は8月26日、製造販売する杭圧入引抜機「サイレントパイラー(R)」による圧入工法が、シンガポールの大深度下水道トンネルシステム(Deep Tunnel Sewerage System、以下、DTSS)の立坑工事に採用され、工事が進められていると発表した。この案件は、硬質地盤クリア工法を用いてハット形鋼矢板を圧入した同国初の工事となる。同社が機械を販売し、グループ企業のGiken Seisakusyo Asia Pte.Ltd.(本社:シンガポール)が指導員を派遣している。
シンガポールでは近年、硬質地盤の工事案件が像か傾向にある。今回の工事実績により、シンガポールでの工法提案力を一層強化できると考えている。
エア・ウォーター 半導体の機器の生産能力1.5倍に増強
エア・ウォーター(本社:大阪市中央区)は8月30日、約35億円を投じ、半導体製造時の熱を制御する機器の生産能力を現状の1.5倍に増強すると発表した。子会社の日本電熱(所在地:長野県安曇野市)の本社工場内に新棟を建設する。新棟の着工は2022年1月、完工は2022年9月末の予定。
エイチ・ツー・オー 関西スーパー買収 系列2社と経営統合
阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は8月31日、関西地盤の食品スーパー、関西スーパーマーケットを買収し、H2O傘下のイズミヤおよび阪急オアシスのスーパー2社と経営統合すると発表した。食材など商品調達で規模のメリットを生かし、収益力を向上させる。スーパーは、新型コロナウイルス禍による外出自粛の”巣ごもり”需要で足元は好調だが、ネット通販の拡大など消費動向の変化に合わせた体制整備など、投資も必要になっている。
オムロン 自動搬送ロボの稼働効率高める新ソフト
オムロン(本社:京都市下京区)は8月30日、工場や倉庫で自走して部品などを運ぶ自動搬送ロボットの稼働効率を高める新しいソフトウエア「Flow core 2.1」を発表した。9月1日からグローバルで提供開始する。
導入時にロボットを実際に動かさず、デジタル空間でシミュレーションすることで、稼働までに要する時間を大幅に短縮。最大100台を無駄なく稼働できるという。
人手不足の深刻化や、感染症対策としての密集・密接を回避するため、製造現場でのさらなる自動化ニーズが高まる中、より容易に、より効率的な搬送工程の自動化を実現していく。
自動車8社の7月世界生産2.6%減 半導体不足が深刻化
自動車の国内大手8社が8月30日発表した7月の世界生産台数は、前年同月比2.6%減の計195万4,899台だった。新型コロナウイルスの感染拡大により、前年同月比で約14%減となった2020年7月と比べ、さらに落ち込んだ。この主要因は、周知の世界的な半導体の供給不足による生産停止で、この状況が依然として改善、好転していないだけに、今後さらに重荷となり、影響の深刻化が懸念される。
トヨタ 7月世界生産11.9%増 11カ月連続前年実績増
トヨタ自動車が8月30日発表した7月の世界生産は、前年同月比11.9%増の77万3,135台だった。好調が続き11カ月連続で前年実績を上回った。新型コロナ禍からの世界経済の回復基調を背景に、コロナ前の勢いを感じさせる。
ただ、世界的な半導体不足や、部品生産拠点の東南アジア諸国が新型コロナ感染拡大に見舞われたまま生産が停滞し、部品調達が思に任せないことから、8月以降、深刻な打撃が表面化してくることは避けられない情勢だ。