半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が、日本で初めてとなる半導体工場を熊本県に建設する検討に入ったことが分かった。日本政府は、先進的な半導体産業の構築を目指しており、半導体の最先端技術を誇る同社の誘致が実現すれば大きな追い風になる。
地震保険0.7%引き下げ 全国平均 耐震性向上などで
損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構は6月10日、住宅向け地震保険の基準料率を全国平均で0.7%引き下げる内容の改定を金融庁に届け出たと発表した。引き下げは2007年以来で、2011年の東日本大震災以降では初めて。金融庁の審査を経て、損保各社が2022年度にも保険料に反映させる。
アルツハイマー新薬低所得者にも投与できる枠組み構築 エーザイ
製薬大手のエーザイの内藤晴夫最高経営責任者(CEO)は6月9日、米FDA(食品医薬品局)の承認を得たアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」について、オンラインで記者会見した。
エーザイとの共同開発先の米製薬会社バイオジェンは、4週に1回の点滴投与による価格を、標準的な患者1人当たり年約610万円としていることで、供給価格が注目される。この点について、内藤氏は高い投薬費用を踏まえ、非政府組織(NGO)などと連携して低所得者にも投与できる枠組みを構築する考えを示した。また、中所得者向けの枠組みについては、保険会社と協業した保険商品の創出を例に挙げた。
新薬は、アルツハイマー病の原因物質とされるタンパク質「アミロイドβ」を除去する働きがあり、根本治療になる可能性が期待されている。
厚労省 FDA承認の認知症新薬 年内にも国内承認の可否判断
厚生労働省は6月8日、米食品医薬品局(FDA)が承認し、日本でも審査中のアルツハイマー病新薬「アデュカヌマブ」について、年内にも承認の可否を判断する可能性があると明らかにした。アデュカヌマブは、米バイオジェンとエーザイが共同開発した、脳内にたまるアルツハイマー病の原因物質と目されるタンパク質「アミロイドβ」を除去し、症状の進行を遅らせる、あるいは抑制する効果がある新薬。
理研「毛包」ができる仕組み解明 再生医療への活用に期待
神戸市の理化学研究所は6月9日、毛をつくり出す「毛包」と呼ばれる器官が形づくられる仕組みについて、マウスの細胞を詳細に解析することで解明したと発表した。同研究所生命機能科学研究センターのグループは特殊な顕微鏡を使ってマウスの毛包ができていく様子を細胞単位で撮影し、解析した。
その結果、当初は平らな皮膚の上に4種類の細胞が同心円状に並んでいるが、それぞれの種類の細胞が段階的に皮膚の奥に成長していくことで、伸縮式の望遠鏡を伸ばすように筒状の毛包ができることが分かった。さらに同心円の中の1種類の細胞が、毛が生える際に重要な働きをする「毛包幹細胞」という特殊な細胞になることも初めて確認したという。
パナソニックなどホテル・フロント支援で「アバター」活用の実証実験
パナソニックとホテル事業のコンサルティング会社、SQUEEZE(スクイーズ)は6月9日、ホテルのフロント担当の代わりにモニターに人の分身、「アバター」が現れ接客するシステムの実証実験を実施すると発表した。新型コロナで苦境にあるホテル業の運営コスト削減につなげるのが狙い。
実証実験は東京都大田区のホテルで行う。アバターはコンピューターではなく、離れた場所から人が操作、対応する仕組み。宿泊客はアバターからルームキーの代わりとなる暗証番号を伝えられるため、鍵の受け渡しは必要ない。

