雪舟の幻の水墨画「倣夏珪山水図」84年ぶり確認

雪舟の幻の水墨画「倣夏珪山水図」84年ぶり確認

山口県立美術館(山口市)は9月19日、室町時代の代表的水墨画家、雪舟の幻の作品「倣夏珪(ほうかけい)山水図」の存在が確認されたと発表した。縦約30.1㌢、横約30.8㌢のうちわ型で、山や水面には緑や青で薄く彩色も施されている。
中国・南宋期の夏珪の作品に倣(なら)い、少なくとも12点描かれ、他に6点の存在が確認されている「倣古(ほうこ)図」シリーズの1点。雪舟60歳前後作品とみられる。
1933年、当時の所有者が売りに出した記録が残り、一部で存在が知られながら、長らく所在不明で、今回84年ぶりにその存在が確認された。専門家らは、構図や力強い筆致に雪舟のオリジナリティーが感じられ、重要文化財級の作品―と話している。

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